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彼女を迎えに行く前にまず部屋の掃除をした。彼女をここに連れて来ようというのも一つの理由だが、これからゆっくり会えるのが楽しみで楽しみで仕方なく、早起きしすぎてしまって出来てしまった時間を潰すためでもある。




結構汚くしてしまった部屋を一通り綺麗にし終わったところで、部屋を見渡した。

彼女は3月下旬からここには来ていない…ということはもう三ヶ月近く来てない事になる。




時間が経つのはとにかく早い。


思えば約半年前に出会ったんだ。


実を言えば一段階の時から当たってたらしいから、もうすぐ7月の今からすれば…あと二ヵ月ちょっとで実は顔を合わせて一年になる。


失礼な話たが、その時は印象に残ってないほど彼女とは会話をしていない。前にちらっと『正直あの時、内村さんあんまり好きじゃなかったんです』と言われたほどだ。




そんな俺が、彼女に再び会って恋をした。


良い意味で普通の彼女。計算高いわけでもなく、媚を売ってるわけでもなく。

その自然体の姿に惹かれていった。



誰よりも他人を思いやる事が出来る彼女。誰よりも俺を想ってくれる彼女。



プロポーズするなら、いつだ。






そんな事を思ってるうちに着メロが鳴った。着信音でわかる、彼女からだ。


「もしもし」


『あ、もしもし?いつ迎えに来てくれるんですか?』


「いつって…」



朝一だから10時だろ、と思って時計を見ると、とっくの昔に10時を過ぎていた。


「や、っべ!10時過ぎてる!」


電話の向こうからは苦笑いが聞こえる。


『もう、何やってるんですか…急がなくて良いですからね。待ってます』


「ごめん、すぐ行くよ」


俺も苦笑して電話を切った。今すぐ行かなくちゃ、と慌てる気持ちが車のキーを忘れたり、財布を忘れたりなんかする行動に表れている。




彼女が俺を待っている。それだけで胸が高鳴ってしまう。


もう三十路前なのに青春を謳歌しているみたいで、何だか少し恥ずかしかった。でも彼女を想う気持ちを止めることは出来ない。




プロポーズするなら、今だ。


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