表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/237

-135-

何なんだろうな、この重苦しさは。




そう思いつつベッドから出る。ここ最近朝一番にするのはため息だ。きっと彼女に言えば『幸せが逃げちゃいますよ』なんて笑われるんだろうが。



最近いろんな人に相談しているのだが、大体『恋愛に年齢なんて関係ない』と言う人もいれば、『女子大生と遊んでないで、真剣に結婚を考えた交際を』と言う人もいる。彼女を遊び相手にしたつもりはない。でも実際そう簡単に結婚、とはいかないのだ。


なんせ初老と言われる歳に達した時、彼女はまだ30歳。他の男に寝取られたって仕方がない。最近不穏な動きがあるみたいだし…。






「内村さん、珍しく車に乗ってる時もだるそうでしたね」


池田ちゃんがコーヒーを持って俺の横に座った。


「あー、考え事」


「彼女さん?」


「まぁ…ね」



ふと冷静になって考えると、池田ちゃんも彼氏持ちの女性だ。色々とアドバイスが貰えるはず…可能性として低い、なんて言ってしまったら殴られそうだが。



「あのさ、例えば結婚相手が10上だとするじゃん。で、マンネリを感じた頃に、上でも下でも良いけどいきなり年齢の近いイケメンにアプローチされたらどうする?」


「…何で?」


「いや…何となく」


「彼女さん浮気してるんですか?」


「してないと思うけどね」




ただ、言い寄って来る男は結構いるみたいだ。中学時代の元カレとか、小学校の時の同級生とか、部活の友達とか。そして彼女がそれに気付いていないのがタチ悪い。



「彼女さんを想うが故なら本人と話すのが一番ですよ。別れた方が良いかも、なんて男側だけが考えてる可能性もありますし」


「そっか」



何となく救われたような気分になる。何かを吐き出すかのようにゆっくりと息を吐き、池田ちゃんの方を向いた。


「もうすぐ退院みたいだし、今度ゆっくり話してみるよ、これからどうするか」


「あんまり重いと嫌になって逃げる女の人もいますからね、気を付けて」


「頑張ってみる」




そしてちょうどその時、彼女から一通の着信があった。思わずふっと笑ってしまう。


「噂をすればなんとやらってやつですか?」


「みたい」



高ぶる気持ちを抑えて電話に出た。


「もしもし」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ