第85話「突然の呼び出し」
6月の中旬となり、初夏……というよりはもう夏なんじゃないかと言わんばかりに暑さが日に日に増してきていた。
そんな中、学生である金森綾乃は今日も変わらず学校へ登校し、変わらない日常を送っていた。
「綾乃たち、ちょっといいか?」
「うん?」
私たちいつものメンバーである私、千奈ちゃん、姫城君、桜田君、石川君、夏妃ちゃんと遊びに来ていたせんちゃんに対して声をかけてきたのは私のクラスの担任であるみなちゃんだった。
「どうしたの?」
「今日の放課後、みんな空いてるか? 空いてるなら部室棟の3階にある突き当たりの部室へきて欲しいんだが」
私はみんなを見渡す。
みんなも特に問題ないようなので、放課後に指定された部室へいくということに決まった。
「悪いな。今はちょっと時間があまりないから放課後に説明させてもらう」
それだけ言ってみなちゃんは即座に姿を消してしまった。
「な、なんか大変そうだねみなちゃん」
「確かに……それにしても俺たちに頼みたいことって何だろう?」
「部室棟って言ってたよね? わたし、立ち入ったことがないのだけれども」
千奈ちゃんのいう通り、部活を行っていないものは基本的に部室棟に立ち入ることはあまりない。
「それに、部室棟3階の突き当たりの部室……か」
「姫城君、何か心当たりとかがあるの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど、しばらく使われていない部室だったけど、ここのところ誰かが出入りしているって噂を聞いたような気がするんだよね」
誰かが出入りしている?
「単純に先生が出入りしているのを誰かが見ただけかもしれないけどな」
桜田君の発言も否定できない部分があるけど、それならわざわざみなちゃんが部室を指定する意味がわからない。
「まあ、行って見ないことには何もわからないね」
そう割り切り、授業開始のチャイムがなったので一時的に解散する。
〜〜
そして放課後。
先ほど声をかけられた私たち7人は早速部室棟へと向かっていた。
ここに来るのも入学当初以来な気がする。
部室棟へ辿り着き、階段を登って3階を目指し、そこから突き当たりまで進んでいく。
「ここがみなちゃんの言ってた部室?」
「うん。間違い無いと思うよ」
「ところで……鍵とかはかかってないのかな?」
確かに、部室棟の部室は基本的に鍵が備え付けられている。
本来だったら開かないはずだけど……。
「開いてるみたいだね」
せんちゃんがすでに扉に手をかけていた。
そしてそのまま扉をスライドさせていく。
部室の中は文化系の部室といった印象で、机や椅子はもちろん、給湯器などもついているという、中々に設備が整った部室だった。
そして、そんな部室内に一人、私たちの訪問に驚きを隠せないと言った表情をした男子生徒がこちらを見ているのだった。




