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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第75話「新しい朝」


 朝、目が覚めた。

 目が覚めて一番最初に取った行動はスマホを確認することだった。

 スマホに表示されている時間は6時過ぎ頃を指しており、ロック画面を解除する。

 そして写真アプリを開き、左上にある最新の写真を確認する。


 ……あった。


 昨日私は姫城くんと公園に行き、姫城君から告白をされて付き合うことになった。

 しかし朝起きたら全てが夢だったのではないかと不安にかられていたのだが、姫城君が提案してくれたのが2人だけの写真を残すことだった。

 だからあれは夢じゃない。


「ふふっ」


 自然と笑みが溢れる。

 つい先日までは落ち込み過ぎてどうしようもない状態だったというのに。

 気づけばそれなりに時間が経っていたようで、部屋を出てリビングへと向かう。

 リビングではいつものようにお母さんが朝食を作り、お父さんが新聞に目を通していた。


「おはよう」

「あら、おはよう……何かいいことでもあった?」

「え!? なんで?」

「だって昨日までとは雰囲気が違うんだもの」

「そ、そうかな……」


 私ってそんなにわかりやすいのかな……。


「まあいいわ。朝食用意するわね」


 深くは聞かず、お母さんは朝食作りに戻っていった。

 お父さんはお父さんでなにやらソワソワしているようだったけれど、特になにも聞いてこなかったので放置しておくことにした。


「それじゃあいってきまーす!」


 朝食を取り終えた私は昨日までの時間より早めの時間帯に家を出る。

 理由は家にいてもどうにも落ち着かなかったから。

 そして何より早く姫城くんと会いたいと思ったからだった。


「あの子、なんか変わったわね」

「そうか?」

「もしかして彼氏でもできたのかしら?」

「え!? そ、それは認めないぞ!!」

「はいはい」


〜〜


 家を出てから微妙に早歩きになりながら通学路を歩いていると、いつもみんなと鉢合わせていた交差点へと辿り着いた。

 高校入学の時姫城君と出会ったのもここだった。


「金森さん」


 そんな思い出に耽っていると、私に声がかかる。

 声だけで誰かがわかる。


「おはよう、姫城君」


 元気よく返事をする。

 それとなく周りを見渡してみるが、どうやら姫城君1人のようだった。


「うん、おはよう。金森さん今日早いね」

「あはは……家にいても落ち着かなくって。それに姫城君に早く会いたかったから」


 自分で言っていて少し恥ずかしい。


「お、俺も金森さんに早く会いたかったから」


 姫城くんも少し顔を赤くしながらそう答えていた。

 お互い考えていることは一緒なのかもしれない。


「あ! 綾乃ちゃん!」


 私の後方から声がした。

 振り返ると千奈ちゃんと石川君が小走りでこちらへ向かってきていた。


「千奈ちゃん、石川君、おはよう」

「おはよう……綾乃ちゃん、えっと、おめでとう?」

「え!?」


 まだ挨拶しかしていないのに祝福された!?


「勘違いだったら申し訳ないんだけど、2人ともうまくいったってことでいいのかな?」

「な、なんでわかったの?」

「……雰囲気かな」


 わ、私ってそんなにわかりやすかったのかな……。


「ま、まあ、そういうこと、だよ」


 なんかよくわからないけれどとても恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。


「お前ら朝からホント元気だな」

「あ、桜田君おはよう」


 あくびをしながら歩いてきた桜田くんに挨拶をする。


「ああ、おはよ。それと沙輝、長年の初恋叶ってよかったな」

「んなっ!!」


 桜田君が衝撃コメントをしていた。

 実際その旨は昨日聞いていたけれど、本当に私たちは両想いだったんだ。

 それがただ嬉しくて、私は姫城君の手を引いて走り出す。


「早く学校にいこ! 遅刻……は多分しないけど!」


 色々と乗り越えてたどり着いた日常。

 私の日常はまだ続く。

 そんな想いを胸に私は学校へ向かって走っていくのだった。


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