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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第70話「知る過去」


「 ちょうど今の話のすぐ後に俺が教室に戻ったわけだが、流石にすぐ状況を察するのは無理だった。というより泣きながら殴りかかってるやつを殴ってるっていう状況だけ見れば誰でも泣いてるやつ殴る方が悪いと思うかもしれないが」

「確かに」

「だから俺は急いでその喧嘩を止めに入ったよ。主に沙輝を止める感じでな。そうしたらガキ大将が沙輝に殴りかかってきたからそれも止めようとしたら、結果的に2人から殴られたわけだ」


 なんていうか……その光景は哀れとしか言いようがない。


「2人から殴られた俺はちょっと意識が飛びかけたが、ギリギリで意識を保って俺もキレた」

「キレちゃったの!?」

「そりゃ言っても聞かないやつは動き止めないと聞かないだろうからな」


 な、なんて単純な考え方……。

 今の2人の姿とは全然違う。

 だからなのか続きが気になって仕方がない。


「でも意識が飛びかけた間にガキ大将はのされて気絶したっぽいから実質俺と沙輝のタイマン……要は1対1での戦いになってた。結果的に少し時間たって先生が来て喧嘩しては収束したんだがな」

「なんかその後大変そうだね……」

「そりゃ大変だったよ。学校に親呼び出されたりとかしたし。まあ、クラスの奴らの証言で一番悪かったのはガキ大将のやつってことになって沙輝に謝った後それ以降何もしてこなかったな。俺も沙輝に事情を知らなかったとはいえ殴っちまったから謝って、それから家が近いこともあってずっと一緒だったな。まあ喧嘩した話はこんなところだ」


 一通りの話が終わる。

 なんだか話を聞き終わった後でも2人の過去の話が実話だと信じがたい。


「あ、そういえば言い忘れていたが、先日最初に手を出したのは俺だ。今回に対しては沙輝にも原因はあるけどな」


 思い出したかのようにそう話す桜田くん。

 でもなんだか怒っているというような様子でも無さそうだった。


「……なあ金森、何かあったか?」

「え? 突然何?」

「ここ数日様子が変だったから気になってな。俺だけじゃない。高垣たちだってそう感じてるはずだ」


 そう言われて何もいえなくなる。

 私の場合は私自身の心の弱さが引き起こしているものだったから。

 それでも私はそのことを言い出せなかった。


「まあ、理由は聞かないさ。でもな、もし少しでも思うところがあるなら沙輝と話してやってくれ」


 それだけ言い残して桜田くんは公園を後にして行った。

 1人残される私。

 姫城くんと話すと言っても、今の私は何を話せばいいのかわからない。

 しばらく公園に留まり、考えはいつものようにまとまらず、しばらくして公園を後にする。

 何かきっかけがあれば変わるかもしれないが、今現状ではそんなものが私に思い浮かぶわけもなかった。


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