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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第43話「もうすぐクリスマス」


「~~♪」


 12月の中旬に差し掛かり、もう間もなく冬休みを迎える時期。

 なんとなく早めに学校へ来ていた私は教室で鼻歌を歌いながら白紙にイラストを描いていた。


「あれ? 綾乃ちゃん早いね」

「梓ちゃん、それに姫城君おはよー。桜田君は一緒じゃないの?」


 いつも梓ちゃんと姫城君と一緒に登校しているはずの桜田君の姿が見えず疑問を覚える。


「翔は爆睡してたから置いてきたよー」

「えぇ!?」

「大丈夫だよ金森さん。翔はこの季節になると大抵こんな感じだから。多分徹夜でゲームしてたんだと思うよ」


 それって大丈夫なのかな……。


「おはよう。みんなもう来てたんだ」

「千奈ちゃんに石川君もおはよー」

「そういえばずっと気になってたんだけど、それはクリスマスの?」


 私の手元にイラストをみて姫城君がそう呟く。


「うん。もうそろそろクリスマスだからなんとなくね」

「それでさっき鼻歌を歌ってたんだー」

「みんなはクリスマスの予定とか決まってるの? 私はまだ考えてないけど!」

「そのことだけど、俺と梓は毎年翔の家でクリスマスを過ごすんだけど、今年はみんなもどうかな?」


 断る理由は全くなく、むしろ私が考えていた内容と一致していた。

 でも千奈ちゃんと石川君はどうだろう。

 今のところ、二人きりで何かイベントごとを過ごしているといった話をほとんど聞いていない気がする。


「いいね。千奈ちゃん、僕らも参加しようか」

「うん! クリスマスパーティかぁ、基本的に家族以外と過ごしたことがないから楽しみだなぁ」

「私が言うのもなんだけど、二人はその、二人でクリスマスとか過ごすとかじゃなくてもよかったの?」


 意外とパーティについて前向き思考だったため、ついそう言ってしまう。


「綾乃ちゃん、気にしなくても大丈夫だよ」

「今年は僕らはみんなで過ごしたいって思ってたから。来年になったら僕は練習漬けの毎日になっちゃいそうだし」

「そういえば今年は大丈夫なの? コンクールとか」

「僕が前にやっていたコンクールは予選があって、それに突破することで本選に行けるんだけど、予選は10月頃に終わっちゃってるから今年は間に合わなかったんだ」


 石川君が音楽を再開すると明言したのは学園祭のあった月、つまり10月だったためエントリーできなかったというのが正しいのだろう。

 それに音楽のことはあまりよくわからないけれど、きっとエントリーできていたとしてもブランクのある状態で望むのは得策とも言えないはずだ。


「そっか、逆に考えると全員が揃うのは今年が最後になる可能性もあるんだね」

「といっても追い込みが必要な時期じゃなければ多分参加できるよ」


 そうはいっているけれど、石川君だけじゃなく私たちの誰かも参加できなくなるかもしれない。

 ……いや、今考えても仕方ないかな。


「おっはよー。何してるの? おぉ、クリスマスのイラストだ。ポスターでも作ってるの?」


 せんちゃんが挨拶と共に私の描いていたクリスマスのイラストを発見していた。


「ポスターとかではないんだけど、みんなでクリスマスパーティしようって話をしてて」

「クリスマスパーティ! それにしてもあやっちたちはよくイベント事企画するね」

「せんちゃんも有馬さんと一緒にパーティ参加するー?」

「行く! なっちゃんもちゃんと連れていくね!」

「えっ……」


 教室に来るや否や真っ先に暖房の前でずっと温まっていた夏妃ちゃんがマジ? って顔をしている。

 多分誘わなかったらクリスマスでも勉強をするんだろうな……。


「ところで肝心の桜田君がいないところで話が盛り上がってるけど、本人に確認は取らなくても大丈夫なのかな。大人数で押し掛けることになりそうだけど」

「それは大丈夫だと思う。中学生になった時くらいから毎年翔の両親はクリスマスに家を空けるから留守番の一環で使っていいってことらしい」

「そうなんだ。なら大丈夫なのかな」

「一応少し前に翔と話して人数が多くなった場合の話も通してるから問題はないはずだよ」

「すごく用意周到だね。もしかして姫城君もクリスマスパーティ楽しみにしてる?」

「ま、まあ、うん」


 そっぽを向いて答える姫城君。

 ちょっと照れた感じのその表情が少し可愛かった。


「あと! プレゼント交換とかも実施しようと思ってるからみんな何かしらプレゼントを持参すること。一応他に何かあったらスマホで連絡するね」


 プレゼント交換か……。

 前回プレゼント選びで少し苦労したけど、今回はどういうものを用意しようかな。

 今回はプレゼント交換なので誰に渡るかわからないけど……。

 楽しみを胸に秘めてプレゼント交換用の品を考えながら時間は過ぎてゆくのだった。


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