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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第41話「雪の降る季節」


 朝。

 目が覚めた私こと綾乃は布団から起き上がり、背伸びをする。


「さむっ!」


 背伸びが一瞬で解かれる。

 12月になり、いよいよ本格的に寒くなってきたようだ。

 とりあえずカーテンを開けるとそこは一面雪景色となっていた。

 ……そりゃ寒いわけだよ。

 しかし今年はこれが初雪となり、最近は昔に比べて雪が降るのがだいぶ遅くなっていると感じる。

 これも地球温暖化の影響というやつだろうか。

 そんなことを考えながら部屋を出てリビングへと向かうのだった。

 一通りの用意を終え、いつも通り家を出る。


「まぶしっ!」


 うっすらと差し込む日の光が雪に反射して目に飛び込んでくる。

 それに負けないように通学路を歩いてゆく。


~~


 通学路をしばらく歩くと、いつものようにみんなと合流する。


「みんなおはよー!」

「おはよう、金森さん」

「みんな雪だよ雪! みんなは雪って好き?」


 何気なく質問してみる。


「ふぁ……俺は雪は別に嫌いではないんだが寒いのがちょっとな」


 眠そうに桜田君はそう答えていた。


「降る分にはいいんだけどね……あたしはよく雪に足を取られちゃうから苦手だなぁー」

「わたしはよく雪ダルマとかを一人で作っていたから割と好きかな」

「僕の場合は楽器を弾く関係上冬がそもそも苦手だね」

「そっか、私は雪は好きだよ! いつかかまくらを作って中で餅を焼くのが夢だよ!」

「あはは、金森さんらしいね。俺は前まで特に嫌いというわけではなかったけど、雪が積もることでバイクに乗れなくなるから苦手になったかも」


 みんなそれぞれ違った理由で好き嫌いがあるようだった。

 ………。


「……え? 姫城君バイク乗ってるの!?」

「え? うん。夏休みに自動車学校に通って免許取って、貯金していた分で買ってからずっと」


 し、知らなかった。

 もしかして知らなかったのって私だけ?


「紗輝がバイク乗ってるっていうのはあたしも初耳だよ?」

「基本的に一人で乗ってることが多いからね。ここで知ってるのは翔くらいだと思うよ。通学するにも乗るほど距離もないし、そもそもバイク通学は禁止だしね」

「ちなみに俺は金貯まってないからたまに紗輝に借りたりしてるぞ」


 なんだか私が知らないことがまだまだあるんだなぁと感じる。


「そのうち私バイク見たい!」

「ははは、そのうちね」


 何気ない約束を取り付け、気づくと学校の敷地内まで来ていた。

 校舎に入り、下駄箱で上靴に履き替え、みんなで1-2へと向かっていく。

 その途中、目の前にせんちゃんと夏妃ちゃんの後姿を見かけた。


「せんちゃーん、夏妃ちゃーん! おはよー」

「うん? あ、みんなおはよー」

「……おはよう」


 ……なんか夏妃ちゃんが心なしか震えてる?


「あやっちって雪好き? 私はめっちゃ好きなんだけど」

「私も私も! 夏妃ちゃんは……」


 同じ質問を夏妃ちゃんに聞こうとした瞬間、睨まれた気がする(多分気のせいじゃない)。


「なっちゃんは寒いのが苦手すぎてさっきからガクガク震えてるんだよ」

「……うん。多分早く教室に行って暖を取りたいんだと思うよ」


 そうこう言ってるうちに気づいたら夏妃ちゃんはいなくなっていた。

 おそらく、というか確実に教室に向かったのだろう。


「じゃあ私たちも教室に向かおっか」

「うん」


 せんちゃんがそう切り出し、教室へと入ってゆくのだった。

 教室は暖房が利いており、外との気温差が違う。

 これは授業中に眠っちゃいそうだ。


~~


「雪合戦をしよう!」


昼休みになり、食事を終えたみんなに向かってそういった。


「せっかくの提案だが、寒い」

「まあまあ、翔は最近ゲームやってて運動とかあんまりやってないでしょ」

「確かにゲームで徹夜して朝がつらいからな」


 ……朝に眠そうだったのはそういうことだったんだ。

 私の席からちょうど桜田君が見えるから授業中に寝落ちしてたことで何とか元気になっているのだろう。


「桜田君ってゲーム好きだったんだね」

「対人戦とかが特にな。最近はバトロワ式のFPSにはまってな」

「バトロワってなんだっけ?」

「バトルロワイアル。最後の一人になるまで戦い続けるルールのことだよ」


 言われてみればそんな映画があったような気がする。


「じゃあ、バトロワ式雪合戦なんてどうかな?」

「それはちょっと惹かれるものがあるな」

「ちょっとルール考えてみるね」


 ノートを取り出し、ルールを考えてゆく。

 結果的にルールは全員開始位置をバラバラに設定し、グループチャットにて始まりの合図が出たらスタート。

 各自自分で雪玉を作り、投げた雪玉が当たった人は負け扱いとなり、観戦となる。

 これを最後の一人になるまで続け、最後の一人が勝者となる。

 また、雪玉の大きさはどんな大きさでもいいが、あまりにも小さすぎるものは対象外とする。

 もちろん雪玉の中に石などを入れてはいけない。


「こんなものかな」

「なかなか悪くないゲームに仕上がったな」

「これ、あたしたちもやるの?」

「せっかくならみんなでやりたいけど」

「うーん、でも綾乃ちゃんたちに勝てるとは思えないけど……」

「それはたぶん大丈夫だろう。このゲームには高確率で勝つ方法があるからな」

「そうなの? じゃあやってみようかな」


 ……必勝法って何だろう。

 とにかく、6人全員が参加することとなり、中庭へと向かうことになるのであった。


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