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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第23話「運動大会の練習を」


 HRが終わり、放課後となった。

 クラスのみんなはそれぞれ部活や帰宅などで教室を出て行く。

 そんな中、私は声を上げる。


「よし! みんな運動大会の練習をしよう!」

「えぇ……」


 梓ちゃんが速攻で不満の声を上げていた。

 でもまあ、さすがに唐突に言われたらそうもなるのも当然か。


「まあまあ、梓もそんな不満を垂れないで。この高校の毎年運動大会は毎年結構なにぎわいを見せるんだから練習とかしておいて損はないと思うよ」


 私のフォローをしてくれたのか、姫城君が梓ちゃんにそう言い聞かせてくれていた。


「えー……でもなぁー」

「それに毎年運動大会で上位だったクラスには何らかの商品や待遇が設けられるらしいから、上級生とかは特に張り切っているっていう噂もあるんだ」

「へぇー……具体的には?」

「内申書がよくなったり、噂だと商品券とか学食で半年くらいずっと使える割引券とかがもらえるらしいけど」

「え!? そうなの!?」


 梓ちゃんよりも先に私が反応してしまった。

 ……学食の割引券に。


「た、確かに学食の割引券をほぼ毎日使うことを考えると商品券よりもお得かもしれないね」

「あたしも少しだけやる気が出てきたし、やろうかなー」


 商品につられてというのは少し気が引けるけど、みんなやる気が出てきたようでよかった。

 早速私たちは運動大会の練習のためグラウンドへと向かうのだった。


~~


「……さすがに無理かなぁ」


 グラウンドに出るために外に出た私たちだったが、そこはすでに運動部が活動を始めていたため私たちの運動できるスペースが残っている様子はなかった。


「部活の連中はさっきの紗輝の話を上級生から聞いているだろうからな。それに活躍すれば内申点が上がるというならば点数稼ぎをするために頑張る輩もいるから当然と言えば当然か」

「それはそうと、せんちゃんはともかく有馬さんまで練習に付き合うなんてめずらしいねー」


 今回はいつもの私たちのメンバーだけでなく、せんちゃんや夏妃ちゃん、それに噂を聞いたクラスの人たちが数人参加していたのだ。


「いや……私はめちゃくちゃ嫌なんだけど」

「そう言わずに一緒に青春の汗を流そうよ。それにただでさえ体育の成績が悪いんだからここで内心点回収しても損はないと思うよ?」

「だけど、この状態じゃどうしようもないんじゃない? 運動部が使ってるなら私たちが練習なんてできないだろうし」

「あの、それなら金森さんが陸上部に交渉に行ったみたいですけど」

「えっ、いつの間に……」


 私はすでに交渉の話を終えてみんなのところへと戻ってきた。


「おまたせ! 長距離で私と陸上部のみんなが走って私が誰よりも早くゴールできたらいいって!」

「それ、相手側にメリットなくないか?」


 桜田君がそう返してくる。


「負けたら私が陸上部に入るってことらしいけど大丈夫大丈夫」

「めちゃくちゃ安請け合いしてるけど本当に大丈夫かな……」


~~


「わーい! 一番ー!」


 圧勝だった。


「彼女が体験入部してきたときからずっと早くなることだけ考えていたのにまだ何かが足りないというのか……!!」


 陸上部の部長がそう嘆いていた。

 なんか少し罪悪感。


「相変わらず運動神経はかなりずば抜けてるなあいつ……」

「少し悔しいけど心強いよね」


 ともあれ、練習スペースである陸上部の使用しているグラウンド半分ほどを確保できた私たちは早速練習を始めるのだった。


~~


 みなちゃんに頼んでサッカーボールとバレーボールを貸出しし、それぞれサッカー班、バレー班、陸上競技班で別れることとなった。

 私は全部該当する為、ローテーションする形で練習することとなる。


「とりあえず、短距離走は走る人二人とタイムを計る人二人でお互いタイムを競い合う感じで。二人三脚はタイムを気にせずに息を合わせることに集中しよう。パン食い競争と借り物競争はその場によってやることが変わっちゃうから練習はしない方向性で行こう」

「球技とかはどうする?」

「球技はそれぞれの能力を図るためにも軽く試合形式でやってみてっていうのがいいかも。そうすればその人の得意不得意がはっきりするから実戦で対応しやすくなうかもだし」

「なるほど、わかった。とりあえずみんなでチーム分けしようぜ」


 桜田君が男子のサッカーメンバーを集めて指揮を取っていた。


「それじゃあバレーは人数少ないし、私が指揮を取ることにするよ」


 バレーの指揮はせんちゃんで決定した。


「それじゃあ私が女子のサッカーを見るよ!」


 それぞれ役割が決まったところで練習が始まる。

 とりあえず女子のサッカーのメンバーは私、千奈ちゃん、夏妃ちゃんと他数名。

 チーム分けを行い、早速模擬戦が始まる。

 ……だが、あまりにも私が一人で突破してしまっていたため他の人を見極めるに至る状況がなく、やむを得ず外から試合を眺めることとなった。

 でも、そのおかげでよく人の動きを見ることができる。

 千奈ちゃんはよく動くけどボールを取った後うまくパスやシュートを入れることができない。

 夏妃ちゃんは……パスが回ってきてもよく空振りをしている。

 たまにボールを追いかけるが追い付けずにボールが転がって行ってしまう。

 それは他のみんなにも言えることで根本的な部分から始める必要があった。

 そのため模擬戦をいったん中断し、みんなを集める。


「とりあえず全体的に見た感じ、みんなボールがうまく伝わっていないみたい。だからまずはパスを練習してから次のステップに行こうと思うんだけどどうかな?」


 みんなも同じことを思っていたのか賛成してくれたようだった。


「できるだけ慣れていない人はボールを足で止めてからパスするとうまくいくから試してみてね」


 それぞれペアを決めてパス練習を始めるみんな。

 ……私暇だなぁ。

 確か他の人を客観的に見るのは大事なんだけど、欲を言うと私も動きたい。

 ふとバレー班の方を見る。

 あちらはあちらでレシーブやトス練習を基本としてやっているみたいで、男子のサッカーはこちらに比べて動けているようで試合形式がうまいこと功を成しているようだ。


 今日の練習はこうして終わっていくのだった。


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