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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第22話「運動大会に向けて」


 朝。

 目を覚ました私、金森綾乃はベッドから出てカーテンを開ける。

 同時に眩しい日差しが入ってきた。

 時刻は午前6時前。

 私は着替えを済ませて自室を出る。

 着替えといっても制服ではなくジャージだ。

 自室のある二階から一階に下りて玄関から家を出る。

 軽くストレッチを行い、髪留めを使って邪魔にならないようにポニーテールを作る。

 すべてが終わった状態で私は走り出した。

 いわゆる早朝ランニングというやつだ。

 中学校時代に部活での早朝練習の習慣が残っているという理由もあるが、やっぱり一番の理由は走りたいというところにある。

 私の場合こうやって一人で走っている時は結構考えをまとめたりすることが多い。

 不安や悩み、それに対する解決策などを考えるということは中学時代からしていたことだ。

 今となっては悩みとかは特に……

 ない、と考えていたが、ふと姫城君のことを思い出していた。


 夏休みの花火大会。

 その時の姫城君に引かれた手、姫城君の胸のぬくもりや匂い。

 それを思い出すだけで私の顔が赤くなっていくのがわかる。

 ぶんぶんと頭を横に振り、少し落ち着く。


「あれ?」


 気づいたら商店街の方へと来ていたようだった。

 本来私が走るコースは基本的に商店街まで来ることはなかったんだけど……。

 たぶん考えていた内容が内容だったから特にコースのことを考えていなかったのかもしれない。

 せっかく来たんだ、今日はこの周辺を走っていこう。

 そうと決まった瞬間、商店街を走り抜けていく。

 少し走ると視界の先に見覚えのある人がいた。

 あれは……千奈ちゃん?


「千奈ちゃん?」


 近づいて声を掛けてみる。

 千奈ちゃんは私に気づくと驚いた表情を見せていた。


「あ、綾乃ちゃん? 朝早いね。綾乃ちゃんもランニング?」

「うん。たまに走ってるんだ。いつもは商店街の方に来ることはないんだけど、今日はたまたまね」

「そ、そうなんだ。てっきり運動大会に向けて張り切ってるのかと思っていたけど」

「え? 運動大会?」

「来週学校で開催されるんだけど、もしかして知らなかった?」

「うん……全く」


 日頃学校の日程表を見ていない私はそういう行事を全く知らなかった。

 今度また確認してみようと思うけど、たぶん忘れてるんだろうな……。

 それにしても運動大会か。

 楽しみだな。


 しばらく千奈ちゃんといろいろ話しながら走り、私たちはお互い自分の家へと戻っていった。


~~


その日のHRの時間。


「来週から運動大会があるわけだが、それにあたってそれぞれ出場する種目を決めたいと思う。必ず一人一種目は参加すること、逆に一人が参加できる種目は三種目までだからうまく調整して決めること。いいなー?」


 はーい、とクラスのみんなが返事をする。

 朝に千奈ちゃんに聞いた運動大会についてみなちゃんが話してくれていた。

 話によると、この代宮高校では運動大会は二日に分けて行われるらしい。

 一日目は球技をメインとした競技、二日目は陸上競技がメインとなる。

 みなちゃんの言っていた一人が参加できる種目は一日ごとの種目であるため、フルで参加すると合計六種目分まで参加することができるという。

 逆に必ず一人一種目というのも一日ごとの計算となるため、これも最低二種目まで選ばないといけない。


「それじゃあ今からどの種目をやるか決めていくよ!」

「みんなやりたい種目が決まったら私に教えてねー」


 体育実行委員であるせんちゃんがそう言うと種目選びが始まった。

 みんな何がやりたいかを考えながら種目を選んでいく。


「へぇー、借り物競争はペアでやるんだ」

「基本的に男女別だから時間短縮のためにそうしてるんだって。種目が少ないのもそう言うことらしいよー」


 せんちゃんが補足でそう教えてくれた。

 するとフラフラとこちらに歩いてくる人物が一人。

 夏妃ちゃんだった。


「な、夏妃ちゃん大丈夫?」


 めちゃくちゃ顔色悪いけど本当に大丈夫かな……。


「大丈夫よ……それより、この中で一番楽なのってどれかしら……」


 あぁ、運動するのが嫌すぎて青ざめているだけか……。


「うーん、この中だったら一日目はサッカーで二日目は借り物競争ならそこまで激しい運動しなくてもいいんじゃないかな」

「うんうん。借り物競争は私がペアになってあげるからね」

「それじゃあ私はそれにさせてもらうわ……」


 再度フラフラしながら戻ってゆく夏妃ちゃん。

 ……本当に運動が嫌なんだな。


「あやっちはサッカーね」

「え? 別にいいけどどうして?」

「さすがに運動神経のいい人もこっちに数人は入れておかないとまずいでしょ? 特になっちゃんはやばいからね」

「なるほど、わかったよ」


~~


 さらにしばらく経ったところで全員の参加種目が決まった。

 私に関わりのある人たちの種目は私が一日目にサッカー、バレー、バスケ、二日目に短距離走、パン食い競争、リレーの計六種目。

 梓ちゃんは一日目にバレー、二日目に千奈ちゃんと共に二人三脚の計二種目。

 千奈ちゃんは一日目にサッカーとソフトボール、二日目に二人三脚の計三種目。

 夏妃ちゃんは先ほどの通り一日目にサッカー、二日目に借り物競争の計二種目。

 せんちゃんは一日目にソフトボールとバスケ、二日目に借り物競争の計三種目。

 姫城君は一日目にサッカーとバスケ、二日目に桜田君と二人三脚、石川君と借り物競争の計四種目。

 桜田君は一日目にサッカーとソフトボール、二日目に二人三脚とリレーの四種目。

 石川君は一日目にバレー、二日目に借り物競争の計二種目。


「それじゃあこれで提出するからみんなでがんばろー!」


 せんちゃんがそう言うとクラスのみんなも結構やる気みたいのようで『おー!』『勝つぞー!』などという言葉が響くのだった。


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