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想い紡ぐ道標  作者: 月見
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第96話「彩咲美鳴飛という人物」


 夏妃ちゃんの問いかけに対し、誰も返答していない。

 いや、ここにいる誰一人として答えることができない問いだった。


「……確かに、彩咲先生と言う人物は謎が多い。正直オレもこの目の能力がなかったら到底信じることも理解しようとも思わなかっただろうしな」

「私も昨日の先生のあれを見てなければ信じる気がなかったわよ」


 昨日のあれと言うのは恐らくみなちゃんの腕が黒鉄の刃のようになったあれのことだろう。


「だからこそ彩咲先生がどう言う人間なのかがわからないのよ」

「彩咲先生といえば、質問をすればちゃんと答えてくれるし、他の生徒からも信頼されているって言うイメージだけれど……」


 千奈ちゃんの言う通り、普段のみなちゃんは変なところがたまにあるが基本的にはいい先生だと思う。

 しかし、夏妃ちゃんの言う通り今回のことでみなちゃんと言う人物がどう言う人間であるのか私自身も気になる所だ。


「そこのところはあんまり考えても無駄な気もするけどね」


 姫城君がそう答える。

 実際のところ姫城君の言う通りだと思う。

 能力のことは公にできるようなことでもないし、公に公表されてもゲームや漫画に毒された妄想などと言われてもおかしくないようなことだからだ。

 それがなんとなくわかってしまい、私たちは再度沈黙していた。

 そして沈黙を破ったのは桜田君の一言だった。


「それならいっそ彩咲先生に全部聞いちゃえばいいじゃないか?」


 とても簡単な答え。

 だけど確かに言われてみればなんでその発想に至らなかったのだろうか。

 私たちは物事を重く考え過ぎていたのだろうと思った。


「それはどうかしらね」


 私の考えとは裏腹に、姫城君と夏妃ちゃんと倉崎君は険しい顔をしているようだった。


「多分だが、彩咲先生は過去に何かがあって今教師をやってるんじゃないかとオレは思ってる」

「……同感ね」

「流石にそれについて聞くのはちょっとね」

「仮に聞いたとしてもあの先生なら性格上事実をぼかして説明するだろうからな」


 そう言われると確かにそう言う節はある。


「じゃあひとつ提案なんだけど」


 桜田君が再度何かを思いついたかのようにそう口を開く。


「先生の行動を観察してみるってのはどうだ?」

「え? ストレートにストーカー発言?」

「最悪な言い方やめろ」

「……あんまり気は進まないけれど、確かにそれが一番確実かもしれないわね」


 驚くことに夏妃ちゃんがそう言った。

 それほどに気になることがあるのだろうかと思ったが、多分自身の能力が不明であることも起因なのだろう。

 私同様夏妃ちゃんがそう言うとは思わなかったのだろうみんなが驚きつつ、みなちゃんのことを調べるために話し合いが始まるのだった。


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