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「決闘だぁ~決闘が起きたぞぉ~」

夕暮れ時の喧騒を吹き飛ばすかの様な大きく高い声が街中を駆け巡った。

その声を

あれは誰の声だったか、粉屋の息子だったかな


などと呑気に考えつつエイギルは昼寝から目を覚ました。

このご時世であるから決闘などは珍しくもないのだが、粉屋の息子があれだけ取り上げてしゃべることも滅多にないことである。

珍しいこともあるもんだ、一体何処の貴族様が決闘したのだろう

と少しばかりの野次馬心を見せつつも、明日には町中に知れることであるから行くまでもないと落ち着かせ、夜飯の準備をしていると外がやけに騒がしい。


一抹の不安を抱きつつ、夜飯を完成させて一人席に着いた。

エイギルは17歳であるが毎日一人で夜飯を食べている。

というのも、エイギルの物心がつく前に母親は死んでおり、父親は遅くまで仕事をしている。

この時代であるから片親であるというのは別段珍しくもないのだが、そういう奴等の殆どがスラム街に行っているので、この街のアパートに住んでいるエイギルはある意味珍しいのかも知れない。

その分近所に住んでいる人達はエイギルに優しくしてくれる人も多かったりする。


そんな事をぼんやり考えていると家の戸が大きな音を立てて来客を知らせた。

音の間隔や大きさに緊迫したものが込められていて、誰であるとかの余事を考える暇も無く戸を開く。


するとそこには男性ホルモンを出しすぎているのか毛むくじゃらで、熊の様な姿形をした巨漢が立っていた。

、、、肉屋のおやじか。

週に3回は会っているにも関わらず、その独特な容姿の性為で慣れるということを知らず、その判断に戸惑ってしまった。

「…どうしたんだ?おやっさん」

暫し目を合わせているも何も言わない人物に対してこちらから質問をしてみる。

急いで来たかのような雰囲気があったにも関わらずなかなか喋り出さなさまは、まるで何から喋って良いのか分からず必死で考えていると言った感じであった。

そしてしばらくの間の後に、紡ぎだされた言葉は

俺の人生を変えうる力を持っていた。








「お前の親父さんが…死んだ…」




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