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手をつないで
ベッドで天井を見ながらぼんやりしている。
「ケン、あそぼ!」
キョウだ。
廊下をウロウロ。
「ねえ」
「なに?」
「私とナオ、どっち好き?」
「えっ?」
そんなこと、いきなり聞かれても…。
「どっちでもいいわけ?」
「そ、そうじゃないけど…」
「じゃあ、どっち?」
「どっちだろう…」
「わからないの?」
…。
「わからないんだったら、私と付き合いなよ」
「え?」
「だって、私の方が、ナオより可愛いし」
「そういう問題かなあ…」
「それても、それじゃあ、気に入らないわけ?」
「いや、そうじゃないけど…」
「私とナオ、どっちがカワイイ?」
「…キョウ」
「じゃあ、決まりね」
キョウが僕のほっぺにキスした。
「今日からケンは私の彼氏。いいわね!」
「う、うん」
僕らは手をつないで、廊下を歩いた。