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謎なのよね
キョウと病院のラウンジに来た。
「…謎なのよね」
キョウが言った。
「何が?」
「私たちが、なぜ、ここにいるのか?」
「そうなんだ…」
みんな、わからないのか。
この、病院みたいなところは、なんなんだろう?
「そう言えば、夢だったのかもしれないけど、元の現実に戻ったんだ」
「元の現実?」
「高校でひとりぼっち」
キョウが笑った。
「あなた、ひとりぼっちだったの?」
「…うん」
「変なの。私なら、声かけるけどなあ。実際、かけたけど」
…。
「まあ、ややこしいことはあとで考えよう」
キョウが僕の手を握った。
…えっ?
「いや?」
「いや…」
僕らは大きな窓からの日差しの中、しばらくそうしていた。