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『無能と言われた【鑑定士】、実は世界樹の管理人でした 〜パーティーを追い出されたので、辺境で伝説の聖域を作っていたら、聖女や女騎士が「泊めてくれ」と泣きついてきた〜』  作者: やまご
第2章:聖域都市・建国無双編

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第33話:四天王ロザリア、聖域の洗礼――そして、深夜の個別指導

天空要塞アルスガルドに帰還したアルスを待っていたのは、勝利の凱旋とは程遠い、凍り付くような視線の嵐だった。アルスの腕の中には、深淵の呪縛を解かれ、上気した顔で眠りについた元四天王・ロザリア。彼女が纏う氷の鎧は半ば砕け、露わになった白い肌にはアルスの魔力が黄金の紋様となって微かに浮き出ている。それがまるで、所有権を主張する「刻印」のように見えたのだ。

「……アルス様。お戻りになられて早々ですが、その不潔な女性ひとを今すぐ解放していただけますか?」

 ブリッジの中央、セレスティアが極上の聖女スマイルを浮かべつつ、背後に黒いオーラを背負って立っていた。その隣では、アイリスが抜剣せんばかりの勢いで剣の柄を握りしめている。

「いや、彼女は魔力回路を再構築した直後で、体温調整が不安定なんだ。放っておくとまた深淵の冷気に飲み込まれる恐れがあって……」

「あら、それなら『聖女』である私の出番ですね。聖なる光で、隅々まで浄化して差し上げます。……ええ、文字通り、根こそぎ」

「待て、セレスティア。騎士団の規律として、まずは私が身体検査を行う。怪しい魔導具を隠していないか、肌の隙間まで確認せねばならん」

 ヒロインたちの剣幕に押されつつも、アルスはロザリアを医務室代わりの別館へと運んだ。そこは、世界樹の根から溢れる高純度な魔力が充満する、アルス専用の休憩室でもあった。

 深夜。

 意識を取り戻したロザリアは、見慣れぬ豪奢なベッドの上で、自身の体が「再構築」されたシルクの寝間着に包まれていることに気づいた。それは、彼女の豊満な胸元を辛うじて隠す程度の、極薄の布地だった。

「……起きたかい? まだ魔力が安定していない。少し、直接流し込むよ」

 暗がりに座っていたアルスが、ロザリアの細い手首を掴む。瞬間、昼間の戦場を上回る熱い魔力が、彼女の血管を駆け巡った。

「ぁっ……、ぁあ……っ! また、あの熱いのが……っ」

 ロザリアはシーツを強く握りしめ、背中を反らせた。アルスの【再構築】による魔力供給は、単なる回復ではない。深淵という「負」に染まっていた細胞を、アルスの「正」の魔力で強制的に上書きしていく行為だ。それは彼女の肉体にとって、抗い難い悦楽となって襲いかかる。

「ふぅ……。君の体は、深淵の冷気に慣れすぎたせいで、回路が極端に萎縮している。俺の魔力を受け入れるには、もっと直接的に、奥まで回路を『広げる』必要があるな」

 アルスは躊躇なく、ロザリアの背中に手を滑り込ませた。寝間着の隙間から差し込まれた大きな掌が、熱を帯びて彼女の滑らかな肌を愛撫するように動く。ロザリアの喉からは、かつての冷酷な将軍とは思えぬ、甘く蕩けた溜息が漏れ出した。

 アルスの指先が、脊髄に沿って魔力を叩き込む。そのたびにロザリアの四肢はビクンと跳ね、白磁の肌は桜色に染まっていく。彼女の体内では、数十年溜め込まれた負の残滓が、アルスの黄金の魔力によって激しくかき乱され、蒸発していた。それは浄化という名の、魂の調教に近い。

「あ、あぁ……っ! アルス……様。私は、貴方に……壊されてしまう……。中が、こんなに……っ、何かが溢れて……止まらないの……」

 潤んだ碧眼がアルスを見つめる。彼女の肌は、アルスの手が触れるたびに敏感に震え、微かな汗が月光に反射して真珠のように輝く。ロザリアは、アルスの魔力に満たされる幸福感に、抗うことを完全に放棄していた。彼女にとってアルスは、自分を「モノ」として扱った深淵の主とは違い、自分という「個」を救い上げ、初めて「熱」を教えてくれた唯一の男性だった。

 アルスの手は、ロザリアの太ももの内側に刻まれた深淵の紋章へと伸びる。そこは彼女が最も穢されていると感じていた場所だった。

「ここが一番ひどいね。……再構築するよ」

「ぁっ……そこは……っ! ダメ、そんなに強く……っ、あぁぁぁ!!」

 指先が紋章をなぞると、黄金の光が彼女の秘所にまで侵入し、根源的な恐怖と、それを上回る圧倒的な充満感で彼女を支配した。ロザリアの脳裏からは、これまでの戦いも、深淵への忠誠もすべて消え去り、ただ目の前の男の熱に縋りつきたいという本能だけが残された。

「……もう、逃がさないよ。君のすべては、これからは俺のために使ってもらう。体も、魔力も、心も……すべて俺が書き換えたんだからね」

 アルスが耳元で甘く囁くと、ロザリアは顔を真っ赤に染め、自分からアルスの首に腕を回した。薄い寝間着越しに、彼女の柔らかな重みがアルスの胸板に押し付けられる。

「……好きにして。貴方の魔力で、私を……メチャクチャに塗りつぶして……。私、もう、貴方の熱がないと……生きていけないの……」

 ロザリアの指がアルスの外套を乱暴に脱がそうとし、その唇が彼の鎖骨に吸い付こうとした、その時。

 ――バタンッ!!

 部屋の扉が、物理法則を無視したような衝撃で、粉々に粉砕された。

「「「やっぱりやってるぅぅぅ!!!」」」

 そこには、眼を血走らせて突入してきたセレスティア、アイリス、そして何故かビデオカメラを構えたカレンの姿があった。

「主様! 深夜の魔力供給は、三名以上の立ち合いと、聖女による監査が必要だとあれほど……!」

「ロザリア、貴様ぁ! 降伏した初日に主を押し倒すとは、騎士道精神の欠片もないのか!」

 修羅場と化したアルスの寝室。だが、乱入してきたヒロインたちも、アルスの魔力に当てられてトロトロに溶け、今にも床に崩れ落ちそうなロザリアの淫らな姿を見て、一瞬言葉を失う。

「……な、なんて格好を……。アルス様、貴方はこの女性を、一体どう『再構築』してしまったのですか……っ!」

 セレスティアの声が震える。それは怒りか、それとも自分もあのような熱に浮かされたいという嫉妬か。

 天空都市の平和(?)な夜は、一気にカオスへと変貌した。アルスは彼女たちの剣幕をなだめようとするが、ロザリアはアルスの腕を離さず、挑発的にヒロインたちを睨みつける。

「……フン。貴女たちも、アルス様の熱を知ればいい。……そうすれば、つまらない嫉妬などしている暇はなくなるわ」

「「「言うに事欠いてぇぇぇ!!!」」」

 聖域内の女性陣の火花は、もはや戦場以上の熱量を持っていた。アルスの無自覚なカリスマと「再構築」の力は、深淵の最強戦力さえも、一瞬にして愛の奴隷へと書き換えてしまったのである。

 一方、奈落の淵の奥底。

「……ロザリアまで堕ちたか。鑑定士の小僧め、面白い力を使う」

 深淵の主が、暗闇の中で愉悦に満ちた声を漏らした。だが、その瞳には冷酷な計算が光る。

「だが、情欲というバグ、存分に育むがいい。……その熱を、一瞬で絶望の氷に変えてやろう。次なる刺客に、究極の呪いを預けるとしよう」

 アルスガルドの勝利に沸く天空都市。しかし、アルスの隣を巡る女たちの戦争は、新たな「外敵」の参戦によって、さらなる混迷を極めていく。

「主様、その女を今すぐこちらへ!!」「いえ、私が聖女の儀式(身体検査)を行います!」

 アルスを待ち受けていたのは、深淵の軍勢よりも恐ろしい、ヒロインたちによる「再構築おしおき」であった。

 物語は、深淵の核心へと迫ると同時に、アルスの貞操を巡る最大の危機へと突入する。

 次回の第34話は、アルスの貞操を狙うヒロインたちが「再構築された混浴温泉」で正面衝突する、文字通りの激戦編となるだろう。

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