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『無能と言われた【鑑定士】、実は世界樹の管理人でした 〜パーティーを追い出されたので、辺境で伝説の聖域を作っていたら、聖女や女騎士が「泊めてくれ」と泣きついてきた〜』  作者: やまご
第2章:聖域都市・建国無双編

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第21話:世界樹の剪定はSSランク依頼?

第20話では、独自のランク制度を持つ『聖域ギルド』が誕生しました。

「伝説の装備が借りられる」「世界樹の果実が買える」という破格の報酬に釣られ、世界中から凄腕たちが集まってきます。

しかし、アルスが「これくらい簡単だろ」と出した最初の依頼が、冒険者たちの常識を木っ端微塵に打ち砕くことになります。

聖域ギルド設立から数日。

 ギルドの依頼掲示板の前には、多くの冒険者が詰めかけていた。

「おい、見ろよ。アルス様直々の『緊急依頼』が出てるぞ!」

「なになに……『世界樹の伸びすぎた枝の剪定。報酬:世界樹の落ち葉(小)一枚』? ……葉っぱ一枚かよ、ケチだな」

 鼻で笑うのは、他国からやってきたばかりのAランク冒険者。

 だが、その隣にいた地元(?)の冒険者は青ざめた顔で首を振った。

「馬鹿野郎、その葉っぱ一枚で家が三軒建つんだぞ。……それより問題は『難易度』だ。見てみろ、アルス様は『初心者向け』って書いてるが……」

 そこに、アルスがのんびりと現れた。

「あ、みんな集まってるね。ちょっと世界樹の枝が窓にかかって邪魔なんだ。誰か、このハサミでパチンと切ってきてくれないかな?」

 アルスが差し出したのは、彼が【再構築】で作った『ただの園芸バサミ(自称)』。

 しかし、それを手にしたAランク冒険者は、あまりの重さと放たれる神気に、その場に膝を突いた。

「な……なんだこれ……!? 重い、重すぎる! 伝説の聖剣よりも魔力が詰まってるぞ!」

「え? 軽いよ? ……ほら、あそこの枝を一本切るだけだから」

 アルスが指差したのは、地上数百メートル、雲を突き抜けた先にある世界樹の枝。

 その枝一本一本が、ドラゴンの胴体よりも太く、鋼鉄を凌駕する硬度で輝いている。

「……アルス様。あれ、切り口から溢れる魔力だけで、並の冒険者は蒸発しますよ?」

 アイリス王女が苦笑いしながらツッコミを入れる。

「そんな大げさな。……あ、誰もやらないなら俺がやるよ」

 アルスはひょいとジャンプした。

 ……ただのジャンプのはずが、衝撃波でギルドの地面が微かに揺れ、アルスの体は音速を超えて上空へ。

 パチン。

 軽やかな音が響いた瞬間、空が割れた。

 切り落とされた枝から溢れ出した純粋な魔力が、一時的に周囲の夜空を昼間のように明るく照らし出す。

「よし、終わった」

 アルスが優雅に着地すると、その手には切り落とされた「小枝」があった。

 ……小枝と言っても、並の鍛冶師が見れば「一生拝めない至高の魔導素材」である。

『世界樹の枝(剪定済み)を獲得』

『素材ランク:神話級ゴッズ・レア

『周囲の魔素濃度が上昇。冒険者たちのレベルが強制的に1上がりました』

「……あ、ありえねぇ……。あんな高度で、あんな硬いものを……ハサミ一本で……」

 集まった冒険者たちは、改めて思い知った。

 このギルドの主にとっての「日常の家事」は、自分たちにとっては「神話級のクエスト」であることを。

「……あ、そうだ。切った枝が余ったから、これでギルドの入り口に『ベンチ』でも作っておくね」

 アルスが鼻歌まじりに【再構築】を始めると、世界中からやってきた冒険者たちは、その「世界一豪華なベンチ」に座る資格を得るために、必死でランク上げに励むことを誓うのだった。

第21話をお読みいただきありがとうございました!

アルスの「普通」が、周囲にとっては「異常」であるという、なろうの醍醐味回でした。

「世界一豪華なベンチ」、そこに座るだけで魔力が回復しそうですね。

次回、第22話。「聖域に迷い込んだ天才魔法少女。アルスの『ただの家庭教師』で、世界最強の賢者へと覚醒する」。

新たな家族(?)が増える予感です。お楽しみに!

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