表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無能と言われた【鑑定士】、実は世界樹の管理人でした 〜パーティーを追い出されたので、辺境で伝説の聖域を作っていたら、聖女や女騎士が「泊めてくれ」と泣きついてきた〜』  作者: やまご
第2章:聖域都市・建国無双編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/34

第18話:捕虜の女将軍、聖域の飯を食わされてあっさり屈服する

第17話では、帝国軍三万をアークの「バキューム」で一網打尽にしました。

今回は、その中で唯一(?)意識を保ったまま捕虜となった帝国将軍のお話です。

鉄の規律を誇る彼女が、聖域の「甘い罠」にどこまで耐えられるのか……?

「……くっ、殺せ! 帝国将軍としての誇りは、貴様らのような辺境の民に屈することはない!」

 聖域の応接間に、拘束魔法(と言っても、アルスが作った『魔力循環を良くする健康ベルト』)を巻かれた女性がいた。

 帝国軍・第三軍団長、紅蓮の戦乙女と恐れられる「フレア」だ。

「殺せと言われても困るな。掃除した後の仕分けで、イヴが『この人はまだ使える』って言うから連れてきたんだ」

 アルスは困った顔で、焼きたてのパンをテーブルに置いた。

「とりあえず腹が減ってるだろ? 捕虜と言っても、うちは食事抜きなんて残酷なことはしないから」

「ふ、ふん! 毒でも盛るつもりか? 私は帝国で最高の栄養食を――」

 言葉が止まった。

 アルスが【再構築】で旨味を100%引き出した『世界樹の蜜入りデニッシュ』と、エルフのフィオナが作った『魔導コンロ産・極厚ベーコンエッグ』から放たれる香りが、フレアの理性を強襲したのだ。

「……っ!? な、なんだ、この香りは……。肉が……肉が笑っているような……」

「肉は笑わないと思うけど。まあ、食べてみてよ」

 フレアは震える手でフォークを握った。

 一口。ほんの一口、ベーコンを口に運んだ瞬間。

「…………っ!!」

 彼女の脳内で、帝国の軍歌が消え、祝福の賛美歌が流れ始めた。

 噛みしめるたびに溢れ出す肉汁。そしてパンの、雲のように軽やかで甘美な食感。

「な、ななな……何なのだ、これは! これが食べ物だというのか!? 私たちが戦場で噛み締めていた干し肉は、靴の底だったというのか!?」

「あ、美味しい? おかわりもあるよ。セレスティアが淹れた『聖域ハーブティー』もどうぞ」

「……はふぅ。……もう、帝国には戻れぬ……。このような美味を知ってしまっては、泥水を啜るような生活には戻れぬのだ……」

 フレアは、ボロボロと涙を流しながら完食した。

 帝国将軍としての威厳は、アルスの「朝食」の前に、ものの五分で霧散したのである。

『個体名:フレア(元帝国将軍)』

『状態:完全陥落、主への忠誠心:急上昇、胃袋の奴隷(120%)』

「……主殿。一つ、頼みがある。……私を、ここの『警備員の見習い』にしてはくれまいか? 給料は、三食昼寝付きで構わない」

「え、将軍なのにいいの?」

「将軍など、この至福の前に比べればゴミ同然だ!」

 こうして、帝国最強の戦乙女は、カレンに続く二人目の「移住希望者」となったのであった。

     ◆

 一方、軍事帝国ヴォルガ。

 

「……報告します。三万の軍勢が……消えました」

「消えた? 撤退したのではなくか?」

「はい。……巨大な筒のようなものに吸い込まれ、そのまま……」

 玉座に座る皇帝の顔から、血の気が引いていく。

 彼らはまだ、自分たちが手を出した相手が「神」の領域にいることを、理解し始めていた。

第18話をお読みいただきありがとうございました!

帝国将軍フレア、即落ちでしたね。なろうにおいて、美味しいご飯と温泉はどんな軍隊よりも強力な武器です。

これで聖域には、隠密カレン前衛騎士フレアという強力な実務部隊が揃い始めました。

次回、第19話。「帝国の逆襲(笑)。残された精鋭たちが放った『禁忌の呪い』が、アルスの力で『最高の肥料』に再構築される」。

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ