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第11話:王都の激震、そして『獅子の咆哮』の完全解体

第11話をお読みいただきありがとうございます!

聖域で国王と和やかに(?)お茶を飲んでいたアルス。

その裏側で、王都ではアイリス王女とギルドマスターによる「大掃除」が始まっていました。

「Sランク」という虚飾を剥ぎ取られたガイルたちの、無様な末路をご覧ください。

迷宮都市ゼノス、冒険者ギルド本部。

 そこには、かつてないほど重苦しい空気が立ち込めていた。

「な、なんだ……!? 王宮騎士団が、なぜギルドを包囲しているんだ……?」

 集まった冒険者たちが震える中、ギルドの正面玄関が乱暴に開け放たれた。

 現れたのは、第一王女アイリス。その背後には、憤怒の表情を浮かべた国王直属の法務官たちが控えている。

「ギルドマスター! 直ちにSランクパーティ『獅子の咆哮』のメンバーをここへ連れてまいれ!」

 アイリスの凛烈な声が響く。

 奥から這い出してきたのは、借金取りに追われ、装備もボロボロになったガイル、ルナ、そして新入りの聖騎士の三人だった。

「ひ、姫様!? い、一体何の御用で……。あ、分かった! あの無能なアルスを捕まえてくれたんですか!? さすが王室だ!」

 ガイルが、汚い顔に卑屈な笑みを浮かべて擦り寄る。

 だが、アイリスの返答は、彼の頬を裂くような冷たい一瞥だった。

「……貴様、まだ自分の罪が分かっていないようだな」

「え……罪?」

 アイリスは懐から、国王の印章が押された『勅命書』を取り出した。

「冒険者ガイル、および『獅子の咆哮』の面々。貴殿らは、王国の至宝たる『大賢者アルス様』に対し、長年に渡る不当な搾取、精神的苦痛の付与、および一方的な追放を行った」

「だ、大賢者……!? 誰のことだ……?」

「アルス様のことだ! 彼は今や、伝説の『世界樹』の主であり、国王陛下が直々に臣従を誓った、この国で最も尊きお方である!」

 ――静寂。

 酒場にいた全員が、自分の耳を疑った。

 あの、地味で、いつも荷物を背負わされ、ガイルたちに顎で使われていた鑑定士が?

 国を動かすほどの存在になった……?

「う、嘘だ……。あんな無能が、そんなはず……」

「黙れ! 貴様らが『ゴミ』として彼に押し付けたガラクタは、すべて神話級の遺物であったことが判明した。貴様らは、国の防衛を担うべき資産を、自らの無知ゆえにドブに捨てたのだ!」

 法務官が一歩前に出て、非情な宣告を下す。

「国王令に基づき、以下の処分を言い渡す。

 一、『獅子の咆哮』の冒険者資格を永久剥奪。

 二、これまでの不正受給報酬の返還。……支払えぬ場合は、魔力抽出刑を伴う終身労働に処す。

 三、アルス様への接近、接触を一切禁ずる。……違反した場合は、その場で処刑とする」

「な……な、な……っ!!」

 ガイルは膝から崩れ落ちた。

 Sランクという栄光、積み上げてきた富、そして未来。

 すべてが、一瞬で「無」になった。

「待って! 私は悪くないわ! 全部ガイルがやったことよ! 私はただ、彼に従っていただけで――」

 ルナが必死に叫ぶが、アイリスは冷たく言い放つ。

「アルス様を嘲笑っていた貴様の声は、陛下も直接お聞きになっている。……連れて行け!」

 衛兵たちに引きずられていくガイルたちの叫び声が、ギルドの中に虚しく響き渡る。

 彼らが最後に見たのは、掲示板に新しく貼り出された『聖域都市・アルス領への移住者募集』という、自分たちには一生手の届かない「楽園」への切符だった。

     ◆

 その頃、聖域では。

「……はくちゅん! 誰か俺の噂でもしてるのかな」

 世界樹の木陰で、アルスはイヴの膝枕を受けながら、のんびりと空を眺めていた。

「きっと、主様の偉大さを称える声でしょう。……主様、それよりも見てください。森の結界の外に、何やら可愛らしいお客様が来ているようですよ?」

 アルスが顔を上げると、そこにはボロボロの服を着た、尖った耳を持つ少女――エルフの一族が、怯えたようにこちらを伺っていた。

「……あ、あの。ここは、誰もが幸せになれる場所だと聞いたのですが……」

 どうやら、聖域に最初の「住民」がやってきたようだ。

第11話をお読みいただきありがとうございました!

ついに元パーティが完全に社会的抹殺を受けました。これでもう、彼らが物語の本筋に絡んでくることは二度とないでしょう。

そして、ついにエルフの少女が登場!

次回、第12話。「助けたエルフは、伝説の工芸師の一族でした。聖域に『工房』と『村』ができる!」。

いよいよ本格的な「拠点作り」が始まります。

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