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第9話:王都震撼、鑑定士一人に国が揺れる

第9話です!

元パーティとの因縁に終止符を打ったアルス。

しかし、彼が「ゴミ」として処理した魔導兵器の残骸や、献上したお茶の噂は、王都の重鎮たちを震撼させていました。

アイリス王女が一時帰還し、王宮でアルスの正体を報告しますが……。

迷宮都市ゼノスのさらに先、壮麗な城壁に囲まれたラングリード王国の王都。

 その中心にある玉座の間では、国王をはじめとする重臣たちが、一通の報告書を前に凍りついていた。

「……アイリスよ。もう一度言え。その『鑑定士』は、古代兵器を素手で分解したというのか?」

 玉座に座る国王ラングリード三世が、震える声で問いかける。

 数日前まで聖域に滞在していた第一王女アイリスは、毅然とした態度で頷いた。

「はい、父上。それだけではありません。彼が【再構築】で作り出した素材は、我が国の宝物庫にあるどの聖遺物よりも純度が高く、放たれる魔力は測定不能。……彼一人で、一個軍団に匹敵、いえ、凌駕する価値があります」

 静まり返る王宮。

 大臣たちが顔を見合わせ、冷や汗を流す。

「馬鹿な……。そんな男が、なぜ我が国のSランクパーティに『荷物持ち』として埋もれていたのだ!?」

「そのパーティ『獅子の咆哮』が、彼を『無能』と決めつけ追放したからです。……現在、そのパーティはランク剥奪の末、借金苦で自滅しましたが」

 アイリスの言葉に、軍事卿が机を叩いた。

「惜しいことをした! その男をすぐに連行せよ! 王国の騎士団を差し向け、力ずくで――」

「おやめなさい。死にたいのですか?」

 アイリスの冷徹な一言に、軍事卿が言葉を失う。

「彼の傍らには、伝説の『世界樹の精霊』が控えています。さらに、神聖国の聖女セレスティア様までが彼を『主』と慕っている。……下手に手を出せば、我が国は一日で地図から消えるでしょう」

 王宮に戦慄が走る。

 最強の武力、最高の癒やし、そして伝説の資源。

 それらすべてを一人の「元鑑定士」が握っているのだ。

     ◆

 一方、その頃。

 そんな騒ぎなど露知らず、アルスは聖域で新しい「施設」を完成させていた。

「主様。これ、本当に『ただの防衛用』なのですか?」

 イヴが呆れたように見上げるのは、魔導兵器の残骸から作り出された、白銀に輝く巨像――**【守護騎士ゴーレム】**だ。

『名称:聖域の守護者・アーク』

『ランク:神話級ゴッズ・レア

『出力:一撃で山を削る程度の魔導砲を完備』

「ああ、ちょっとした警備用だよ。……あ、イヴ。王都のアイリスから手紙が届いた。なんか『父が直接、お礼に伺いたいと言っている』らしいんだけど」

「……王様が直々に、ですか。おもてなしの準備が必要ですね」

 イヴは確信していた。

 やってくる国王は、「お礼」などという名目ではなく、アルスに「国ごと跪く」つもりでやってくるのだということを。

「ついでに、新しい作物も【再構築】してみたんだ。……これ、『黄金の林檎』って言うらしいんだけど、食べるか?」

 アルスが差し出したのは、一口食べれば寿命が百年延びると言われる伝説の霊果。

 それを「おやつ」感覚で差し出すアルスの無自覚さは、今日も健在だった。

第9話をお読みいただきありがとうございました!

ついに「国」がアルスを無視できない存在として認識しました。

王女だけでなく、今度は国王までが聖域にやってくることに。

次回、第10話。「国王、聖域の豊かさに絶望し、娘(王女)を嫁に差し出そうとする」。

いよいよ「建国」の足音が聞こえてきます!

引き続き、評価やブックマークで応援いただけると嬉しいです!

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