詩「夢の頁」
住宅街を進んでいた。
スーツを着て、
営業先を探しているような感じだった。
迷っていた。
どこに着けばいいのを。
スマホを使ってみたけれど、
どうにもあてにならない。
細い道があって、
直観に従うと
石段を下りて行った。
下りきると道なりにカーブを描いていた。
そこをたどると
田舎の車庫のような一軒があり、
その前には不釣り合いなほどのスポーツカーが止まっていた。
その一軒を通り越すと、
小雨になった。
傘も折り畳み傘もない。
小雨と言ってミストのような感じだから、
それらがなくてもいい気がした。
歩き続けると
収監所のような塀に覆われた建物の前に立っていた。
その前にはバス停があり、
時刻表を見ると
もうすぐ来るらしい。
ここで見つけられなかったから仕方ない、
と思っていたら、
バスが近づいて来るのが見えた。
バスにはまばらにしか乗客がおらず、
ミストのような雨で濡れた私が一人掛けの椅子に座った。
私はどこに行きたかったのだろう。