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幾星想  作者: エカ
2/3

1 だから

 そこには一人の男がいた。

 男は砂漠を歩いていた。

 砂塵が舞う、陽は照らす

 

 しかし、一人であるが、孤独ではなかった。


 空飛ぶ蜥蜴、駆け回る兎、忍び寄る蠍


 知ってはいるが、完全ではない。

 知りたいと思うが、究明ではない。

 

 彼には友がいた、仲間がいた、同士がいた。

 彼らの行方はわからない。

 

 男は悔やんだ。

 助けられなかった昨日を


 男は悔やんだ。

 話したりなかった昨日を


 男は悔やんだ。

 永遠だと思っていた昨日を

 

 男は悔やんだ。

 共に過ごせない今日を

 

 男は悔やんだ。

 共に迎えられない明日を


 しかし、男は立っている。

 忘れたわけではない、捨てたわけではない、嘘であったわけではない。

 

 知りたかったのだ、求めていたものを

 知りたかったのだ、信じられていたものを

 知っていたのだ、託されたものを

 

 いつかまた出会うその日、

 共に語らい、笑い、称賛され、眠るため


 だから、男は 星天(そら) を見た。

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