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番外編短編・昼の子供

「与武、ちょっと静かにしていてね」


 私は、息子の与武が泣き止み眠った事にホッとした。


 あれから私は息子を産んだ。名前は聖書から与武と名付けた。牧師さんは、この名前は大変そうですよと忠告してきたが、この名前以上にピッタリなものが夫婦ともども思いつかなかった。


 健康体で生まれ、赤ん坊であるが、泣くとかなりの大きな声が出る。この子は将来大物になるかもしれない。


「与武、寝たか?」


 子供部屋に隆さんが入ってきた。その顔はちょっと疲れている。


 その後、隆さんは新しく文芸雑誌を作り編集長もしながら作家活動の続けていた。学校の仕事は多忙になり辞めざるおえなくなったが、週に数回だけ三上さんの所の子供達に家庭教師をしているし、原稿料や重版分のお金が入ってきているので家計はむしろ余裕がある状況だった。土屋先生が推薦文などを書いてくれたりもして、既刊も頻繁に重版がかかるようにもなった。


「あなた、大丈夫? ちょっと疲れてない?」

「いや、ようやく原稿が出来上がったから、力が抜けてしまってな」


 そう言って隆さんは、大きく欠伸をした。


「与武、お前は可愛い息子だが、ほんの少し眠っていてくれると助かるな」

「そうね」


 私は思わず苦笑してしまう。


 しかし、隣の教会で預かっている子供達からはしゃぎ声が響く。


 その音で与武は、目が覚めてしまい大泣きし始めた。


「あらあら、与武。泣かないの」


 私は与武を抱きながら、背をさすってあやした。


「うーん、これはしばらく休めそうにないな」


 隆さんは苦笑しながらも与武の泣き顔を優しく見ていた。

 窓の外からは、子供達のはしゃぎ声と共に明るい昼の日差しが差し込んでいた。


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