ボクのパパは ほうき星
気ままな街猫、子猫のジェミニ
ふたご座流星群駆ける夜に 産声あげる
ママとはうまくやってたけれど
ボクのパパはここにいない
お空をずっと駆けてるらしい
今夜 初めてパパに逢えるかも
ボクに気付いてくれるかな
ボクに気付いてくれるかな
ボクのおうちはパパがいない
やさしいママもいまはいない
おおきなアクアリウムあるひろーいおうちで
あさいちばんで かおをあらって
みはらしのいいテラスで
おなかすくまで ひなたぼっこ
おひるのおうちじゃ おいしいおさかなさん
しろいぼうしのコックさんが
おなかいっぱいたべさせてくれる
ちょっとヨコになってると
やさしいおねえさんたち かわりばんこでマッサージ
おひるねだけのおうちといえば
しろいテラコッタのゆかだんぼう
おなかもすいたゆうまづめには
あかーいランタンのおうちにいくと
あかいおかおのおじさんたちが おにくとパスタ
うれしそうにふるまってくれる
なにげに そらをみあげてみると
そとはすっかり こんのカーテン
あしどりかるく おうちにかえる
ルーブルばりのピラミッド
ここがボクのさいしょのおうち
こんや パパとここであう
いつもは とおくてあえないけれど
こんやは あいにきてくれるって
ボクはずっとまってるよ
パパとはじめてあえるから
子猫のジェミニはパパがいません。
ホントのパパとは、悲しい決別があったのか
そうでなかったかは ママしかわかりません。
だけどジェミニには沢山の家族がいます。
そして、たまにしかあえないけれど
夜空にはずっと見守ってくれるパパがいます。
◇◇◇◇◇◇
読んでくれる子供たちが純粋なまま育って欲しい。
周囲には温かい善意に包まれた人達も居るのだと
気付いて欲しい、忘れないで欲しい。
そして、自分自身もそんな人に育って欲しいと
願いを込めて書きました。