プロローグ 未来の地球はファンタジー
ずっと前に考えていたものを投稿してみました
僕・・・いや、僕らはこの地球に科学というものが発展するよりも前から存在している。
まあ、人ならざるものというやつだ。
人類は科学の進歩により、様々な発展を遂げていった。
でも、今僕の目の前に広がる光景は『科学の進歩なんて、最初から存在しなかったのではないか』と思わせるほどのもの。
剣やナイフを持ち歩く人。
大きな獣を使役している人。
数世紀前の表現だと、異世界みたいとか、ファンタジーの世界みたいだとか言ってたっけ?
ある日、何も知らない人からすれば突然、この世界は崩壊した。
最初は地震だった。
これまで誰も体験した事が無いであろう、震度なんてもので表現できないほどの大きな揺れが世界で起きた。
大地は割れ、火山は大きく火を噴き、多くの人々が為す術も無く死んでいった。
どうにか生きながらえた者も、その後の悲劇によって命を失った。
悲劇とは、どこからともなく魔物が溢れてきた事。
確かにこの世界に魔物は存在しない。
が、あれを魔物と呼ばず何と呼ぶ?
異世界が舞台の小説や漫画が浸透していた中でそんな名前が付いたのは、ごく自然な流れだったと思う。
あの時の状況を僕らみたいなのが例えると、『地獄絵図のよう』と言ったところかな。
この頃からおかしな事が起き出した。
一部の者しか使えないはずの妖術のような、霊術のようなものを使える一般人が出できたんだ。
いや、あれは西洋の術、魔法や魔術の方が近いか。
あの時からどれだけの月日が経っただろう。
少なくとも数百年くらいは経っているんじゃないかな?
新たな力を手にした度、人の世は争いを繰り返した。
今回もまた然り。
科学が繁栄していた頃と変わらない程の大きな戦争が何度も起きた。
そんなことを繰り返していくと、自ずと上に立つ者が現れ、大きな国もでき、世界も安定してきた。
科学が発展し戸籍の管理が厳格だったあの頃に比べると、僕たちは随分と生きやすくなったものだ。
っと、ここら辺で僕の自己紹介でもしようか。
僕の名前は優斗。偽名だよ。
え?何で偽名なのかって?
当たり前じゃないか。
本当の名前を教えるということは相手に運命を託したということなんだから。
よく分からないかもしれないけど、人間と妖の常識は違うからね。
とは言っても、僕は妖とは少し違った存在なんだ。
いわゆる幽霊ってやつかな。
確か、14歳・・・うん、15歳にまではなってなかったはずだから、だいたい14歳くらいに死んだと思う。
もしかしたら永く存在しすぎて、自分でも気づかない内に幽霊とは別のモノになってるかもしれない。
元々は生きていた時の大好きだった幼馴染の子に憑いていたけど、死んじゃったんだ。
もうそろそろ転生していてもいいと思うんだけど・・・
ん?そりゃあ、一緒にいてほしいよ。
言っただろ?大好きなって。
――――それに
あの子がいない世界なんて、意味がないでしょ?
読んでくれてありがとうございます