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出会い

ジリリリリリリ……………。

軽快な目覚まし音が、狭い部屋にこだまする。その発信源を、相沢リクが腕を伸ばし止めた。なんとも平凡で平和な時間が流れている。

相沢リクは、一人暮らしをしている。いつもの様に起床し、いつもの様に学校へ通う。なんとも普通な生き方をしているが、リクはそれは退屈にすごしていた。

「なにか不思議な事は起こらないものか…」


リクはそう言うとため息を吐いた。

「……ま、そんな事起こるわけないか」

独り言をボソっと吐きつつ、登校する時に使う自転車にまたがり、通学路を通っていた。


「今日は少し寝坊したな…。しょうがない、近道を使うか……」

オレはいつもと違う道を使った。

「………ん?人が倒れてる!?」

道の端で人が横になって倒れている。近付いてみると、少女だった。

「女……?まぁいい。おぃ!大丈夫か!」

オレは少女を少し揺すってみた。しかし反応が無い。

「死んでんのか?……いや、そんな訳ないか。呼吸があるし…」

オレは少女を仰向けにして、抱き起こした。見て分かった事だが、少女は不思議な格好をしていた。何と言うか、巫女の様な服なのだが、少し違っている。不思議な格好だ。

すこし揺すっていると、少女が目を覚ました。

「あ…貴方はだれ?ここは…どこですか?」


何を言っているんだろうか?オレが誰かを聞くのは分かるが、ここがどこなのかをなぜ聞くのか?

「オレは相沢リクだ。ここは、南川町の並木道だよ。」

と、オレは少女にそう言った。

「そう…ですか。転送は…成功したんですね。」

……転送?何を言ってるんだ?どこかから転送されたとでも言うのか?

「転送ってどういう意味だ?」

オレの質問に、少女は指を指して言った。

「そんな事より、あれをなんとかしなければ…なりません。」

オレは少女の指を追った先を見て、愕然とした。そこにはなんとも奇妙な物体がいたのだ。そして、オレでも分かるぐらいにその物体からは殺気が発せられていた。

「な、なんなんだよアイツは!化け物ッ!?」

「あれは魔物。世界の闇が作り出したモンスターです。」

少女はそう言うとオレの腕をすり抜けて立ち上がった。

「貴方は素質がある。世界の闇を断ち切る素質が…」

少女はそう言うと、オレの方を向いて言った。

「私と契約をして下さい。契約しなければ、私と貴方はここで………死にます。」

いきなり死にますって言われても実感がわかないのだが、今の状況から察するに危険だった。

「……わかった。契約しよう。死ぬのはゴメンだ!」

オレの言葉を聞いた少女は、オレに近付いて言った。

「目を閉じて、私を感じて下さい。そうすれば力を与えます。」

言われるがままに、オレは目を閉じた。すると、オレの唇に重なる何かがあった。この感触は…きっと唇だろう。そして、気が付くとオレは真っ白い空間の中にいた。そこには、さっきの少女が立っていた。そして少女はオレの手を掴み、剣が刺さった所へと誘導した。そして、剣の持ち手を一緒に掴むと、そこから光が満ちた。

真っ白い空間から元の場所に戻った時、オレの左手には剣が握られていた。

「なんだ?この剣は…?力が出てくる。」

するとオレの頭の中にさっきの少女の声が聞こえた。

「その剣は、私自身。貴方に力を与える剣です。その剣で、魔物を斬って下さい。そうすれば魔物は消滅します。」

オレは言われるがままに、魔物に向って走った。

「なぜだろう…今なら化け物に勝てそうだ!」

魔物は、自分に向かってくる相手にむかってエネルギーを打ち出した。それは物凄い勢いでリクに向かってくる。

「右に重心を傾けて、回避して!」

少女の声の言うとおりに行動し、回避をした。見事に魔物の撃った弾を避けた。

「そのまま斬りつけて!」

「よし!わかった!」


オレは魔物の頭上から勢いよく斬った。魔物は叫び声をあげながら消滅した。

「勝った……のか?」


「えぇ。勝ちました。」

そう言うと、オレの左手に握られていた剣が光だし、先程の少女の姿に戻った。

「貴方のおかげで助かりました。ありがとう」

「そうか、それは良かった。じゃ、オレ学校行かないといけないから…」

オレが学校へ行こうと自転車に目を向けると、自転車はさっきの戦闘の巻き添えを食らって見るも無残になっていた。

「……これじゃあ学校行けないなぁ……どうしよう…」

すると少女はオレにもたれかかってきた。

「ん?どうした?……て、寝てんのかよ…。」

少女はオレにもたれかかって眠りについていた。

「……しょうがない、今日は休もう。」

そう独り言を吐いて、オレは少女をおぶって自宅へと戻った。



ここから、相沢リクの不思議な物語が始まるのであった。

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