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五話

 朝起きた俺は朝ごはんを楽しみにしつつ研究所内を駆け回っていた。

 研究所には食堂があったらしく、そこでご飯がもらえるらしいのだ。

 とりあえずいい匂いのするほうへと走って行った俺は食堂に到着することができた。

 そしてひさしぶりのまともな食事にありつくことができた。

 とってもおいしかったです。

 ご飯を食べ終わった俺は冒険に出かけるために準備をする。

 最初はお金を集めるためだったが冒険が楽しくなってきている。

 どうせ死なないってのもポイントだ。

 今思うとゴーレムのわき続ける砂漠に普通の人が入れば間違いなくすぐに死ぬ。

 カードを手に入れれた俺は幸運だったと思う。

 俺はナイフが入った鞘を腰につけ、ゲートへと向かう。

 すると見覚えのある女の子がいた。


「やあ。この前はありがとう」

「あら生きてたの。冒険は順調そうね」

 

 銃をかるくゆすりながら女の子がそう答えてくれる。


「そういえば名前はなんていうの? 俺は雄一」


 一応聞いておく命の恩人みたいなものだからだ。


「あー私はエマよ。よろしく」


 面倒くさそうにエマがそう答える。

 俺はここでサヨナラをして冒険に行くつもりだったが引き止められてしまう。


「あなたって砂漠で生きてきたんでしょ。ならちょっとついてきてくれないかしら」


 エマのお誘い。男ならついていくべき。そう考えた俺はその提案に乗ってしまった。

 そうして俺はエマと一緒にゲートをくぐるのだった。

 ゲートの先は渓谷だった。ごつごつとした谷間があり空は不気味なほど静けさを保っている。


「いまから倒すに行くのはワイバーンよ。あなたナイフもってるから近接でしょ。いい壁になってね」

 

 断ればよかったのだが俺はエマの笑顔に押されてうなずいてしまった。

 こうして俺はワイバーン用の壁になった。

 岩肌に続く道らしきものをエマと一緒に歩いて渡っていく。

 時々、広場らしきものが点在しており、エマはそこを注意深く観察していく。

 そうして三つ目の地点に到着したころだ。不意にエマが銃を構え引き金を引いたのだった。

 激しい音が鳴り響き何十メートル先で叫び声が響き渡る。


「さあ行って。壁になるのよ」


 そう言って俺の背中を蹴り飛ばすエマ。もしかしたらこいつは俺が死んでもいいと思っているんじゃないだろうか。

 とりあえずナイフを抜いて走り出す俺。

 広場のようになった場所の中間には大人二人分の大きさの赤い体、強靭な皮膚、要所要所を守る鱗を兼ね備えたワイバーンがこちらを見据えていたのだった。

 腕に翼が生えているトカゲのようなワイバーンはその肢体を使い猛烈な速さで俺に突進を仕掛けてきた。

 エマの攻撃が体にあたっているが、一向にきく気配はせずどんどんと距離を縮めてくる。

 俺はおられたら困るのでナイフをいったんしまい、両腕でワイバーンを受け止める格好になる。次の瞬間、俺はワイバーンと衝突をする。衝撃によって何メートルもずり下がるがダメージはない。だがワイバーンのほうが圧倒的に力が強い。一瞬ワイバーンが動きを止めたかと思った瞬間、サマーソルト。ワイバーンが空中に浮き一回転を決めその遠心力で尻尾を俺にぶち当てる。

 俺はそれの衝撃で何メートルも吹き飛んでしまう。

 その様子を見たのか後ろのほうで舌打ちが聞こえる。


「あなたワイバーンの餌になって頂戴。私はその間に逃げるわ」


 攻撃もきかなく、壁も崩壊したせいだろうエマはさっと身をひるがえすとすぐに姿をくらませてしまった。

 残った俺とワイバーン。

 俺はエマを追いかけようと立ち上がったがワイバーンの突進によりまた吹き飛ばされてしまう。俺はそのまま転がされ止まった先で何とか立ち上がる。

 何度攻撃しても俺が死なないのが気に障ったのだろうか。突如ワイバーンが両翼を広げあたりに咆哮を響かせた。

 俺はそれに突っ込んでいく。ワイバーンも生物だ。ならば目をほじくれば勝てるはず。俺はダメージを受けない。そう考えてのことだった。

 だがワイバーンは走りくる俺をただ見据えるだけだった。

 そうして俺がワイバーンにあと一歩でたどり着く。その距離になった時だ。

 ワイバーンがたった一度。腕を振った。それだけで俺の腕に線が入り、血がしたたり落ちていった。

 俺はその攻撃で吹き飛ばされてしまう。

 ワイバーンはただ爪を出して俺を薙ぎ払っただけだ。それで俺に傷をつけた。

 初めてのダメージにもしかしたら俺はここで死ぬかもしれない。そんなイメージが頭をよぎる。

 そのせいで俺は逃亡することに決める。逃げるためワイバーンに背を向けゲートのほうに走り出す。

 だがワイバーンは逃がす気はないようだ。

 爪をむき出しにした腕で地面を削り取りながらの突進。

 そうして俺に追いついたワイバーンはその爪による一撃で俺を吹き飛ばしたのだった。

 背中から大量の血を流す俺。

 ワイバーンは俺を中心に円を描くように移動しゲートへの道をふさいでしまった。

 絶体絶命。

 その四文字が頭の中をよぎる。

 どうやったらこの窮地を切り抜けられるのか。

 考える。考える。

 ワイバーンは生き物だ。だったら殺すには心臓を止める。血を流れさせる。酸素をたつ。

 これのうちのどれかもしくは脳みそをぶち抜けばいい。

 だが近づけば力で負け、武器で負ける。逃げれば速さで負ける。

 どうするどうする。

 そう考えているうちにワイバーンが飛び上がる。

 そうして滑空しその強靭な顎で俺に向かってかみつきにかかる。

 地面に伏せるようにしてそれを交わす俺、しかし後ろ足で体をつかまれ地面にこすり付けられながら何メートルもおいやられてしまう。

 ワイバーンの質量で地面にこすり付けられるのはおもったよりダメージが少ない。

 だが確実に血は流れていく。

 ワイバーンは俺を放し一旦飛び上がり上空へと登っていく。

 俺はその隙に立ち上がりゲートへと足を進める。

 しかし上部からの衝撃。ワイバーンが上空から滑空し体当たりを仕掛けたのだ。

 うつぶせで地面にたたきつけられる。地面にはひびが入り俺の口からは血が吐き出される。 

 ワイバーンが片足で俺を抑え方向を響かせる。きっと勝った気でいるのだろう。俺は最後に報いるため腰からナイフを引き抜きめちゃくちゃに背中を押さえつけている足を切りつける。

 悲鳴を上げ飛び退くワイバーン。俺は何とか立ち上がり。後ずさるようにゲートへと向かう。

 そこに突進をかますワイバーン。巨大な質量が迫る。

 俺はそのばで軽くジャンプをしわざと吹き飛ばされる。こうすればすこしは威力を減らせるだろうと思ってのことだ。弾き飛ばされ転がる。そして立ち上がるころにはワイバーンが迫りくる。俺はこうして徐々に傷を増やしながら吹き飛ばされていくのだった。

 これはやばいどうにかしないと。そう考える俺が思いついたのが崖から飛び降りるということだ。もうゲートから戻れないかもしれない。でも今を生き延びるにはこれしかない。

 俺は崖めがけて走り出す。そうしてワイバーンの突進を受け空中に躍り出たのだった。

 落下する俺。そうして何十秒たったころだろうか背中から伝わる衝撃で意識を手放してしまったのだった。


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