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敵か味方か謎の編入生

感想があれば私は頑張れます。

 朝のホームワークの時間。

 全くやる気のない学園長兼教師――IBMが、だるそうに教室へ入ってきた。


「グッモーニング、成金共。」


 その瞬間、教室がざわめく。


「グッモーニン、お情けで学園の管理者になった化石先生〜!」

 メタ(旧フェイスブック)がからかうように声を上げる。

 隣でグーグルも、同調するように笑った。


「資本金でウチらに負けてるの、ねぇ、どんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?」


「フェイスブック、グーグル、うるさい。」

 IBMは出席簿を手に取り、教卓をバンバン叩いた。


 だが、メタは怯まない。

「先生、わざとうちらの名前、間違えてるでしょ。」


「ごめんな。人生長いもんな。両親の離婚で母方の旧姓になることもある。

 だから先生、あえて同じ呼び方にしたんだけど……メタは気にするタイプか。」


「私は別にいいけど。アルファベットは苗字変わってないからね。先生、そういうとこだと思う。」


 教室には笑いが起きる。

 マグニフィセント学園の朝は、今日も平和――そう見えた。


 だが、IBMは教室を見渡して静かに言った。

「今日、編入生の一人が登校初日だ。俺をいじってくれて構わないが、編入生をいじめてはいかんぞ。」


 テスラが机に肘をつき、ぼやく。

「けっ、新規に三人枠増やしたうちの一人か。いいなぁ、優遇されるってのは。」


 IBMは片眉を上げた。

「いいのか、そんなこと言って。……お前の遠い親戚に当たる人だぞ。」


 テスラの顔色が変わる。

「先生、今の話、転入生に言わんといてください!命に関わるもんで!」


 IBMは出席簿を閉じ、ため息をつく。

「私が言わなくても、他のクラスメイトは嫌らしい笑顔を浮かべてるぞ。若い娘たちがしていい顔じゃない。」


 メタが机に頬杖をつき、にやりと笑う。

「テスラ様、今の話、ぜひフェイスブックで公にしたいところね。」


 エヌビディアが冷静にカメラを構える。

「もう遅い。今の話、8Kで録画済みだ。」


 教室に笑いが走る中、ドアが開く音が響いた。

 光の中から、一人の少女が静かに姿を現す。


 銀白の髪に、氷のような青い瞳。

 身長一五八センチ、華奢で姿勢が美しい。

 静かな可愛さが、教室の空気を変えた。


「……私は、あなたたちのデータを見に来ました。」


 その声が落ちた瞬間、教室は静寂に包まれる。

 誰もが言葉を失い、ただ彼女を見つめていた。


 ――敵か、味方か。

 マグニフィセント学園に、新たな風が吹いた

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