#1
ロサと出会ったことで私の人生は確実に変わった。
彼女は色々なことを教えてくれたし、色々な場所へと連れ出してくれた。
綺麗な髪を靡かせながら笑う彼女の姿は今でも鮮明に思い出すことができる。
古い民謡を口ずさみながら料理をする姿は今でも私の脳裏に強くこべりついて離れない。
私はロサを、心から愛していた。
ロサが行方不明になったのは8年前の12月のことだった。
大雪の降り頻る、突き刺すような寒さが厳しい日だった。
あの日のことは今でも鮮明に覚えている。
その日は私の誕生日で、ロサの家で2人、誕生日のパーティーをしていた。
途中、彼女はケーキを買い忘れたらしく、街のケーキ屋に行くと言って外へ出かけて行った。
それ以降、ロサが帰ってくることは無かった。
ロサが行方不明になってから、私は仕事も辞め、日夜彼女を探し回る日々を過ごした。
だがそのうちに金もなくなり、現在は放浪者として生活をしている。
もし神様がいるのならば、もう一度ロサに合わせてくれ。
もし過去に戻れるのなら、あの日ロサを絶対に街には行かせない。
そんな思いを抱きながら今夜も眠りにつく。
「あなたは…ジャレッド・テイラーさんですか。」
どこからか私の名前を呼ぶ声がする。




