博士とアンドロイド
100年後の東京。
ロボットみたいなビルが並び、車が空を飛んでいる。
ここはN博士の実験室。
「やった。ついに完成したぞ。」
N博士はそう言った。
博士の目の前には一体のアンドロイドがあった。
それは女の子の形をしたアンドロイドだった。
博士はアンドロイドの背中のボタンを押した。
すると、アンドロイドは動き始め、言葉を口にした。
「はい、何でしょうか博士。」
そう、このアンドロイドは、博士の身の回りの手伝いをしてくれるアンドロイドなのだ。
「わしの代わりに庭の水やりを頼む。それから夕ご飯の支度もだ。」
「はい、かしこまりました。博士。」
アンドロイドは言われた通りに仕事をした。博士は満足した。
それからは博士とアンドロイドはいつも一緒だった。
晴れの日も雨の日も雪の日も。
博士はいつもアンドロイドにこう言った。
「お前は賢いな。」
アンドロイドの方は、とくに嬉しくもなさそうに、「ありがとうございます。」
というだけだった。
そしてあっという間に月日が流れ、博士も年老いて死期が近づいてきた。
「お前には今まで本当に世話になったな。私は楽しかったよ。ありがとう。」
すると、驚くべきことが起こった。感情を持たないはずのアンドロイドの目から涙が流れたのだ。
博士は驚いたが、にっこり笑って言った。
「そうか、おまえも私のことを思ってくれてたんだな。」
博士はそう言って永遠の眠りについた。