死んでも君を死なせない

人生でたった一度きりしかない高校生活二年目の幕開けとなる始業式の朝、教室内は転校生の話題でもちきりだった。
ホームルームで担任に紹介された女子生徒『岩水寺舞（がんすいじまい）』はその破戒僧のような厳つい名前とは裏腹に、まるで少女漫画の中から出てきたかのような美少女であった。

かねてより担任教師に気に入られていた『都筑五月（つづきいつき）』は、転校早々に女子クラス委員長の任を自ら買って出た彼女のサポート役として、半ば強制的に男子クラス委員長を押し付けられる。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能と文句の付けようのないスペックを誇る舞。
時折見せる舞の享楽的な性格に翻弄されるがままの五月だったが、同じ時間を過ごしているうちに次第に心惹かれてゆくのだった。

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