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第7話 乙女心

その日は、何かしらと忙しい日であった。


「…、率直にいいますと、それはNOです」


「なんでっボクは、みこちゃんをこんなにも愛しているというのに!」


目の前にいるロンゲの茶髪な少女もとい、九晴ここのは 夕空ゆうあの発言に、僕は拒否する。

というのも、話は、数十分前にさかのぼる


(−−−学校前−−−)


「ふぁ〜…」


いつもよりも5分ほど速い登校であることをここに記す。

まあ、その理由も、彼女関連ということもここに記す。


「ねむたそぉ〜だね、美琴」


「まぁ〜…、率直に申し上げれば、遅寝早起きということをしてしまったせいかと」


「あはは〜」


八方美人がそこに笑う。

紹介せずとも知れた我が彼女、咲蘭歩は、今日の早朝に学校へ来ないと、君の家に火を付けると脅迫メールをよこしてきたのだ・・・。


「誰が脅迫メールだって?」


ぎくっ

流石に鋭かった。

思考を探るようなあの目線、というか探る目には勝てなかった。


「可愛い、可愛い、ほんっとに可愛い貴方の彼女が、愛のメールを出したというのに」


この人がナルシストだということは、もうお分かりであろう。


内容


件名 さあ、起きたまえ!


今すぐにそのベッドから体を起こし、愛する者の胸へさあ飛びついてくるのだ!

 by君の愛する子猫より

PS あと30秒以内ね、よーいドン!


 

「可愛い内容ではないか」


「どこが、明らかに何か殺気を感じますよ」


「クフフ...」


どこかのアニメキャラクターか何かの笑い声を放つ彼女は、少々怖い。

…僕は、その場から一歩足を引く。

それにつれて、彼女もまた、こちらへ一歩近づいていき、それが続いていよいよ教室の壁まで追いつめられた。


「…許してください」


「それなりの礼儀ってものがあるわよねぇ〜?」


「…どうすれば…?」


と、僕が言うと、彼女は、多少悩み、数秒で立ち位置を戻すと、すぐに口を開き


「うーん、公衆の面前で、ディープキス?」


「ぶっ!」


思わずはいてしまった。

公衆の面前で何をさらすきですかっ!!!


「冗談よ、でも少しはしてくれてもいいのよ?」


と、微笑しながらそういう彼女に、僕は


「よしてください、一々その件に関してのごちゃごちゃに巻き込まれたくないんですよ」


そう一言をこぼす。

だが、そんな僕の発言を彼女はこうバッサリと切る


「もちろん、それが狙いよ?」


「…」


冗談のない一言に…僕は、その場に絶望を浸らせる。

壁に片腕を乗せ、それに体の体重をかける。


「でも、もしも、本当にごちゃごちゃしてたら、私がどうにかしてあげるわ」


「いや、そもそも、そんなことをしないでください。てか、僕はしませんよ、そんなこと…」


えー、という不満の顔を見せる。

それをキッと僕が睨むと、びくっと体を震わせた。


「え…、なんで・・・なんで夕空がここにいるの!?」


彼女は、そのようなことを僕に向けて発する…。

いや、それは、僕ではなく、僕のすぐ背後に潜む人に向けたのである。


「ボクがいては、まずいの?」


僕は、こけてしまう。


「もう、そんな驚かなくてもいいのにっ」


と、ムクっと膨れる彼女の名は、九晴 夕空。

前に遊んでいた。

…だが、あの日…親が他界してから、僕と夕空は、遊ばなくなった。

実家から離れ、ダンボールハウスで暮らしていたことを伝えていない。

いや、彼女にそんなことを言っても無駄だと感じてのことなのだろう。


「でも、つくづく甘いよ〜ボクが、美琴の現在地を知らないと思ったの?」


ニコッと笑顔になる。

…まあ、セキュリティ万全な貴方のお家ならね…。


「でも、どうして、今になってなのかしら?」


と、咲蘭歩は言う。

…一理…あるかも


「あら?どうして?」


「中学校、貴女はどうしていたの?」


そうなのだ、僕自身、中学では、夕空と会っていない。

さらに、ダンボールハウスにいた小学生の時も、彼女は僕に一度も出食わしていない。

だが、セキュリティの力を借りれば、いつでも僕を見つけることができたはずなのだ。

しかし、今この瞬間にある高校生という時に、なぜ来たのだろうか。


「それは、美琴と正当なお付き合いをしたいからに決まってるじゃない」


…、はいここで一言、 は?

今の顔を表せば、それはそれで…。

そして、話は冒頭に戻る。


「…、率直に言いますと、それはNOです」


「なんでっボクは、みこちゃんをこんなにも愛しているというのに!」


みこ…ちゃん?

僕は男だ、変な名前をつけないでくれ


「それに、僕には彼女がいる。」


「…なるほど、その彼女が、貴方ってわけ…へぇ…」


少し落ち込んでいるようにも見える。

だが、それをフォローしようとすれば、また何か言ってくるはずだ。


「というわけで、夕空とは、付き合えない」


そう僕ははっきりと言ったんだ。




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