第41話 コメコイ
最終話みたいなものを作ってしまいました…。
でも、最終話ではありません。
「まことに…残念ですが…」
彼がそういったのは、僕が心臓の動きを止めた時である。
メーターの揺れがなくなり、ピーという大きく耳障りな音が室内に鳴り響く。
そんな中、彼はそういう。
白衣を着た彼は、ここの医者なのだろう。
「どう…して…」
そこで、僕の体を揺するのは…咲蘭歩…。
僕は…本当に死んだのか…?
意識がまだあるというのに、体が言う事を聞いてはくれない。
むしろ、僕の体ではないように、感覚すらもない。
これが…死…。
直感的に、これを死と断定してしまってもいいほど、それは絶望すらも与えられぬ無の感情を生み出す…。
どうしていいものか、見当もつかず、だから生霊となっては、成仏を願うのだろうか?
幽霊とは、本当にいたものかと思うと、納得がいってしまうかもしれない。
「ごめん…なさい…」
その横で立っているのは…由恵…か…。
大丈夫だよ…なんて声も出せないのか…。
一度でいいから…夢であってほしい…なんて、何度も願ったことはある。
いじめられて…それが、夢ならいいのに。
いたずらされて…それが夢ならいいのに。
友達が傷つけられて、それをただただ見ていたあの日も…。
だから、僕は誓ったんだ…。
‘僕が最初に作った友達は、僕の親友であり、唯一信じられる友なんだ、そんな友が困っているのなら、僕は見捨てちゃだめだ…!!!‘
なんて…そんなことを思っていた時、僕は彼女…咲蘭歩を見かけた。
僕と同じ…ではなかったが、悲しい眼球を滲ませていた。
だから…僕は彼女に声をかけたのだろうか?
偶然は必然を、必然は奇跡を生む。
この世に絶対はなくとも、奇跡は起こりえる。
そう、思えた。
考えてみれば、確かに僕と咲蘭歩が出会ったのも、一種必然の事だったのかもしれない。
ならば…なぜここに由恵が…。
必然と奇跡の境に、幼馴染という偶然がある。
たとえるのなら、邪魔者…と言っている他ないこの発言を、僕は由恵には向けることはできない。
僕は、臆病な人間で、彼女たちを…真っ先に傷つけた。
結局は、あの決意も…仇だったわけだ…。
でも…
一つだけ…叶った。
皆が…僕を…大切にしてくれる事が…。
気がつけば、僕の周りを囲むのは、僕の友達たち…生徒会…。
どうしようもない僕を、彼らはじっと…半透明の水を目から溢しながら、僕を…見てくれていた。
[コメコイ!俺らは、今日からコメコイだ!]
あれ…?なんだろう…この言葉…。
[コメコイ?]
[そうだ!コメコイってのはな!]
…そうだ…コメコイだ…だって…コメコイは…
[いつ、どこでも]
何度でも
[呼び合える]
[[友達のことだぜ!]]
次回…第42話 事件発生-陸祐編-
陸祐は、美琴が事故に会う前、生徒会会長に呼び出される。
そこで…。
次回からは、陸祐編です。
そんなに長くはありません。
美琴が亡くなる…という設定ではないので、今回の41話は、ボツ…というか、修正を入れたいと思っています。




