第三話 出会い
彼女と付き合ったのは…たしか、桜が咲き乱れ、満開の桜が、自らの無数の花を太陽の光を浴び、色を輝かせ、自らを、生まれ育った生地へと体を回しながら寝かせようとしていた。
そんな日だった。
僕は、いつものように、暴力を受けつつ、顔を滲ませ、自席へと体を運ぶと、鞄に詰めた教材を机に入れる。
すると、なにか違和感のある音がした。
クシャ
表せば、そんな紙を押し込んだときに聞こえそうな音。
とりあえず、それを確認するため、僕は教材を机の上に置く。
そして、机の中に手を入れ、それを見つける。
原型を整えると長方形になる。
所々がグシャとなっているのは、たぶん先ほどのせいだろう。
長方形に対角線を引くと、中心で交わるというが、その中心に、ハートマークのシールのようなものが貼られている。
それを取って、長方形の形から、三角形を新しく作るように上にあげ、中に入っている紙を取り出す。
内容は以下のような文。
{放課後、一番大きい桜の木の下で待っています。}
というものだった。
はて、なんのことだろうと思った…。
(−−−放課後−−−)
僕は、約束通りに従った。
大きな桜の木というと、僕が以前から使っている昼寝スポット…。
誰にもばれないような、桜並木を通って行くと、一つだけほかの色と異なった、こげ茶色のような色をした桜の木がある。
その木のことを知っているのは僕だけと思っていたんだが…。
そう思いながら、僕は、桜の木の前まで行く。
すると、誰かが桜を見ていた。
一人だ。
「あれが、この手紙の差出人かな」
と僕は桜並木を歩きながらそう言う。
もちろん、誰からも返事はない。
「あの…」
と、僕が言うと、彼女はこちらを振り向いた。
「始めまして・・・かな?柳 美琴くん」
「…えと…千代島…さん?」
「光栄だよ、覚えててくれたんだ、名前」
「この手紙は…」
「うん、私。」
と、こちらを振り向かずして返事を続けていた、ピンクの色をした髪の持ち主。
長さは、腰まである。
それに、誰が見ても美人。
僕の学校の生徒なら、一度は告白をするというほどである。
そんな彼女が…。
「それで、話…なんだけどね」
僕に言ったこと…。
「率直に…、私は貴方を守りたい」
これが、僕らの出会いであり、彼女の告白だった。




