第26話 帰り道-由恵-
あの後、私たちは数十分の合間屋上でしゃべっていた。
どうやら、巻いたようだ。
もう、彼女たちは追ってきていない。
「…、そろそろ戻るわ」
「そう、気をつけなさい?」
そう言って、手を振って彼女はもうしばらく外の空気を吸いたいそうで、屋上に残ることとなった。
私は、次に見つかれば…そう思うと、駆け出していた。
階段を一気に下りて、一階までたどり着く。
荷物は、百合人が取ってきてくれるらしい。
だから、後は下駄箱で靴を取るだけだ。
この学校の構造は、A、B棟と呼ばれる二つの校舎とその間に渡り廊下という名のかけ橋がある。
そして、一階には下駄箱があるが、それは二つの校舎からは少し離れていて、あまり教師の監視下ではないのだ。
ここで襲われたら、もう逃げられない。
覚悟を決めて、私は下駄箱へ駆ける。
必死にたどり着くと、予測通りの展開…。
いや、もう下駄箱が監視下でないのならこれはもうフラグということだろう…。
一人の女子が、そこにいた。
薄い茶色の腰まで伸びた長い髪、短いスカート。
そこから除く白い肌…。
香水の匂いも少し離れているここでも匂う。
いい香りではあるが、今はそんな場合じゃない。ここはどうにかして…。
ガチャン!!!
「…!!!」
駄目でした。
近くにあったモップに足をぶつけてしまい、モップが近くにあった金属製の直方体の掃除道具入れにぶつかって、音が鳴ってしまい、彼女に気づかれた。
「誰!?」
どうやら、太陽が都合よく窓辺を貫いて、彼女の眼に光を浴びせたようで、目を眩しそうに覆っている。
チャンス到来!
今しかない!
下駄箱の中を駆ける。
まずはワンステップして…走り、隣の隙間へ入り込む。
さらに都合よく、彼女の隣の下駄箱の隙間に私の上靴が置かれているのだ。
電光石火とはよく言うものだが、この速さ、尋常ではない。
実況はうまくないので、説明がつかないが、アイOールド21のデOルバッOゴーOトをイメージしてもらえればわかりやすいと思う。
こうして、私は難を逃れた。




