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第19話 友情

だだだっ...!!!と、生徒の走る音が、地面を蹴る音とまじりあい、激しく砂ぼこりを出す。

応援席では、咲蘭歩たちが、手を振って応援している…。

まあ、それが届くのも…スクリーンがあるからというわけだ。


「頑張れー!」


「負けないでねー!」


「負けたら地獄行きだぞー!」


一人は応援し、二人のち一人は敗北をするなと、もう一方はその敗北の結果を悪いように言っているわけだ。


「ッたく・・・やってらんねぇ」


その中には、愚痴をはく者も少なくなかった。

このマラソンは、学園の内側から外側へ出て、一周してもう一度内側へ入る。

ちなみに、水鳥乃学園は合計で言っても2kmはある。

規模がでかく、敷地面積がプール何個分に想定されるかは、御想像にお任せしたい。


「おい美琴!ペースが落ちてるぜ!」


「あっああ、すまない」


考え事…をしていたわけでもなかったが、薫人たちと距離が遠くなっていた。

ペース的にはこれが普通なのだが、多分薫人がペースを上げたせいだと僕は思う。


「はぁ…はぁ…」


けれど、運動のしていない百合姉には、きついと思う。

普段百合姉は生徒会執行部の学習委員をしていて、部活を入ると、勉強や委員会ができないといった理由があり最近は運動もしていない。

…例によって、僕は薫人と同じサッカー部所属。

ここでペースをあげてもいいのだが…。


「そんな感じで上げていくと、後でばてるぞ?2kmもあるんだもう少しペース落としたらどうだ?」


「暢気なこと言ってるお前なんて、後で抜かされまくった奴等を抜けなくて、順位下がってもしらねぇぞ」


「…うっせぇ」


僕らは、特に仲がいいわけでもなく、クラスのメンバーでいうと、一種の集まりであって。

そのメンバーの中心にはいつも…あの人がいて。


「そんなんだからぬいにおいてけぼりにされんだよ」


「…」


「ちょっとシゲ男!そんなこと言わなくたっていいでしょ!みっちぃはみっちぃ、ヌーに何を言われようが、人それぞれに個性があるの!なんでわからないの!」


「姉貴は美琴を甘やかしすぎだ」


「余計な…お世話よ」


百合姉は、いつでも僕をかばってくれている…。

たしかに、薫人の言葉に間違いはない。

僕は…甘えていた。


「わかったよ…やってやる」


「それでこそ、美琴だ」


ダダダッ...

そして、僕らは全力で走った。

ただ…ゴールを目指して。

…けど

やっぱりペースは落ちてきていた。


「はぁ…はぁ…、んっ…やっぱきつい…」


「だから言ったんだ、薫人少しペース落とせって」


僕の方はまだスタミナはあったが、最初からペースをあげていた薫人の体力は、徐々に落ちてきて、普段のペースより落ちていた。


「サッカー部エースのお前の助言…か」


「これは、友達としての一言だ」


「けっ…カッコつけやがって…」


そして、薫人は親指を突き出し、それを空へ向けて最後に グッドラッグ と言い残し、止まった。


「ありがとな、薫人…」


そして、後500m地点まで僕は来ていた

…フゥム、やはり難しいですね…回想シーンを一瞬だけチラッとさせて移動させるというのは…。

無駄なアクシデントは、後のストーリーに影響するんで、極力今考えているルートにそっていきたいと思っています。

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