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勇者と聖女のとりかえばや ~聖女が勇者で勇者が聖女!?~  作者: 星野 優杞
勇者アキレアと聖女フリージア
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魔法戦闘

ブックマーク、評価、ありがとうございます!!

アストロンやアキレアが魔王たちと戦闘を始めた。

俺も手も口も動くのだから魔法で応援したいところだが、どうやらこの俺を拘束している鉱石みたいなものには魔法を封じる効果もあるらしい。

舌打ちをして、戦況を見守りながら、鉱石に魔力やら神の加護やらを流し込む。許容量を超えればどうにか壊せるはずだ。多分。


一応アキレア達も俺をどうにかしてくれようと思ったのか。少しづつ距離を詰めてきてくれる。けれど、


「っ!」


アストロンの相手をしていてもまだ少し余裕がある魔王が移動しているアキレア達への攻撃を強めた。シールドが揺らぐくらいの衝撃が走る。


「アキレア!」


思わず不安になって叫んでしまった。ライがそんな俺を見て、それからアキレアを見る。今みたいな攻撃をされると移動は難しいだろう。


「ホワイトレースさん、アキレア君、許してくださいね。」

「「「!?」」」


何か覚悟を決めたようなライが唐突にアキレアを抱き上げた。まさかのお姫様抱っこである。


「移動は俺に任せて、アキレア君は防御に集中!ホワイトレースさんはしっかりついてきてください!」


いや、まあ確かに体を鍛えていないし男性としては線が細いアキレアだけど、ある程度重いだろうに。

こう見ると意外とライって体格良いな?!


一瞬ビビっていたようだけどアキレアはすぐに言われた通り防御に集中する。

ホワイトレースは何か思うことはあるようだけど、それでもライに従うことにしたようだ。


「うわ!」


それで移動速度が上がった訳だが、それを魔王側が黙ってみているはずもない。先生が俺とアキレア達の間に割り込んできた。


「流石に看過できません。」

「先生。先生は回復とか結界とか強化とかが得意ですよね。」


ライがアキレアをいったん降ろしている間に、ホワイトレースがアキレアのシールド範囲内で前に出た。なんだか少し不機嫌っぽい。


「私、ばりばり戦闘特化ですから。覚悟は良いですか?」


今まで遠距離だったから威力が落ちていたのか、それとも周囲への影響を考えていたのか、とにかく近距離での魔法戦でホワイトレースが繰り出す魔法はことごとく高火力だった。


基本的に結界魔法は設置型の魔法で戦闘中に使うものではない。そのため先生はホワイトレースの魔法を防御するので手一杯になる。

そして忘れがちだが通常、魔法には適性というものがある。相反する魔法の適性が無いと完璧には攻撃が防げないのだ。ホワイトレースは大分魔法に特化した家の生まれなため、実はすべての魔法適性があるとかいう隠れチートである。神聖魔法は全部の属性の魔法が使えるのですっかり忘れていたが。

あとアストロンも王家で潤沢な魔力と全ての魔法の適性があるヤバいやつである。王家ヤバいよな。

でも魔力量と魔法技術はホワイトレースの方が上らしい。


まあ、何が言いたいかというと、結構一方的だった。

遠距離魔法で先生の使えない魔法を把握していたのか、先生が防ぎにくい属性の攻撃を畳みかけたのだ。一応急所は狙わず足を中心に狙っていたから、殺す気は無いようだけど。


そうして研ぎ澄ませた氷の刃が先生の足に大きめの傷をつける。

痛かったのか、先生の意識が一瞬傷に向く。


その瞬間を逃さなかった。鈍い音がして、先生が倒れる。


「すみません。」


ライが剣の柄で先生を気絶させたようだ。


(ホワイトレースの高火力で派手な魔法で先生に隙を作って、ライが先生を無力化したのか。)


ライは物理攻撃力では俺とアストロンより下だし、魔法攻撃力もこの場にいる誰よりも下だろう。

それでも場を見る能力はたぶん誰よりもあるし、先生よりも物理的な攻撃力は高かった。

だからこそ先生に必要以上の怪我をさせずに無力化することに成功したのだ。


先生を拘束して、アキレア達が俺のところに移動してくる。


「大丈夫?!フリージア。」

「ああ!アキレア達の方こそ大丈夫か?!」


アキレアは相変わらずシールドで忙しい。

ホワイトレースとライが俺に近づいてくる。


「アッキー、大丈夫だよな?ちゃんと本当にアッキーだよな。」


ライが少し泣きそうになりながら俺を見てくる。魔王に連れていかれる時、最後に言葉を託したのが彼だ。大分心配をかけてしまったみたいだ。


「あ……えっと、フリージア様で良いでしょうか。結構魔力を流し込みましたね。」


ホワイトレースが俺を拘束している鉱石に触れてそう言った。

彼女はこの鉱石がどんな魔法か分かるんだろう。俺は頷いた。


「では最後は私が。」


ホワイトレースがそう言うと鉱石がパラっと細かい粒子になって消えた。

多分許容量に足りない分の魔力をホワイトレースが一気に注ぎ込んでくれたんだろう。


「わわっ!」

「おっと。」


拘束がなくなって転びそうになった俺のことをライが支えてくれた。

拘束を解くのに大分魔力も神の加護も体力も使ったから、まともな戦闘はできなそうだ。


いや、シールドはったり回復したりなら出来るだろうが。そうだとしても、魔王をどうにかするには今の俺だと少し足りないだろう。


「ライ、ホワイトレース、少しだけ協力して欲しい。アキレアと話がしたいんだ。」


だから俺は、2人にそう言った。


あと少し!今日中に終わるかなって思ってスパートかけてるのに、思ったより長い……!!

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