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勇者と聖女のとりかえばや ~聖女が勇者で勇者が聖女!?~  作者: 星野 優杞
勇者のままではいられない
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生かさず殺さずの方法

「ん?どうしたの2人とも。ラッピングは出来た?」


アストロンがキョトンとした表情で俺達のところにやってきた。


「いや!なんでもない!!」

ライはそう言うと手に持っていた袋にクッキーを詰めだした。まあ、アストロンに言うことでもないよな。


「とりあえずこんな感じだ。」

「あ、可愛い。」


透明な袋に白でレースとお花が描かれた袋。ピンクのリボンだとちょっと可愛くなりすぎるから黄色のリボンを使った。


「あ、これはアストロンに。」


ラッピングした袋のうち1つをアストロンに渡す。アストロンはそれを受け取ると嬉しそうに笑って


「ありがとう!!」


と言った。それから俺にも1つ袋を渡す。白い花が描かれた袋に金色の針金で留めてある。


「僕からもアッキーに。」

「うん。ありがとう。」


それから俺達は顔を見合わせて笑い合い、揃ってライの方に振り返る。


「「はい。ライにあげる。」」

「え?!」

「「一緒に作ってくれて、ありがとう!」」




さて、とりあえずお菓子作りは終わったので片付けの作業である。

俺達が作ったのだから片づけをローデさんだけに任せてはいけない。アストロンがライとローデさんには他の作業をして欲しいと言ったので今台所には2人きりだ。

2人で話す時間ってこういう……。洗い物をしながら小声で隣のアストロンにクローバーから教えてもらった魔王についての話をする。


「魔王は世界から神様によって切り取られた悪意が集まって生まれて、魔王を殺すとその悪意とかが消えると……。」

「うん。」

「実体を持たない悪が、実体を持つ悪になるから消すことが可能になるのかな……。でも何もその実態に人格とか生命とかが無くてもいいのにね?」

「俺もそう思った……。」


2人でため息をつく。


「うーん。ここで言う、殺すってどういう状況なのかな?」

「ん?」

「例えば殺すって言っても、肉体的に殺すほかにも精神的に殺すとか、社会的に殺すとかあるじゃない?」

「お、おおぅ。」


そう言われればそうだけど、なんか怖いな。


「多分魔王の場合は肉体的に殺すのかなって思うけど……。例えば魔王を精神的追い詰めて精神的に再起不能にしたり、『これ、絶対死んだ』って思い込ませるのじゃ意味が無いのかな?」

「うーん。一応色んな勇者とかの昔話を読んでるんだけど、魔王が勇者の幼馴染だった場合とか、魔王が勇者と恋愛関係だった場合でも、魔王が勇者に肉体的に殺されるまでは悪のオーラが存在しているっぽいんだよね。」

「あー……その状況は精神折れてそう……。精神的な死は悪のオーラを消すこととは関係ないのかな?」

「多分……。ん?」


いや、逆に考えればあれか?悪のオーラは魔王の肉体に紐づくものであり、精神に紐づいているわけではない?悪のオーラを操ることができるのは肉体と精神が1つの状況だから?


「逆に肉体だけ殺すのはどうだろう……?」

「それ、いわゆる勇者が魔王を殺すっていうのと同じじゃないかな?」

「……確かに。」


それではどうするべきなのか……。肉体を殺さなければ悪のオーラを消せないのなら、肉体には死んでもらわないといけないんだが。それだと魔王が死んでしまう……。


「とりあえず状況は分かったから、僕もいろいろ考えてみるよ。殺さずに殺すみたいな、例えば相手を仮死状態にする毒とか、魔法の開発を考えてみたりね。」

「ありがとう。」


そうか、仮死状態か。でもそれが有効かは実際魔王で実験しないといけないが……。


(それだと魔王の協力が必要になるな?)


俺に対しては比較的友好的ではあるが……


(流石に魔王にちょっと仮死状態にさせて~とは言いにくいな。)


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマーク、評価や感想をいただけると嬉しいです!

次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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