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勇者と聖女のとりかえばや ~聖女が勇者で勇者が聖女!?~  作者: 星野 優杞
勇者のままではいられない
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とある聖者の洞窟

ブックマークありがとうございます!とても嬉しいです。

「と、とりあえず戻ろう!皆と合流しないと。」

「うん。戻ろう。……アッキー、下に戻るまでにその顔ちゃんと直してね?」

「顔を直すってなんだよ?!そういうアストロンこそ顔が真っ赤」

「あーあーあー!それ以上言わないで。……待ってあげられなくなっちゃうから。」

「っ!!」


だから!この雰囲気を助長させるなよ!!とりあえず深呼吸をしながら階段をゆっくり下る。

でも、普段通りの顔に戻らなくちゃいけないのに、俺達はついつい手を繋いで階段を下りることにしてしまった。




「あ!アキレア!!この近くに気になる村があるから行ってみよう。……どうかした?」

「な、なんでもない!!」


塔から出てきたフリージアにさっき通行人から聞いた情報を共有しようと駆け寄る。が、何か違和感を感じる。王子との距離感が、なんか気まずいような恥ずかしいような、でも空気が悪いわけでもないような……。

あ、これ、なんかあったな?おい、王子、勇者を頑張るフリージアに何したんですか?ことと場合によっては許しませんよ?


「……はあ。」


と言っても多分フリージアもまんざらでもないんだろうなあ。私はため息をつく。


「な、なんだよ!その村に行くんだろ?」

「うん。」


とりあえず私は今から行こうとしている村の情報をフリージアに話す。


「昔の聖者の出身の村らしいよ。」




(うう。なんかこう、胸のあたりがむず痒い!!)


いや、それより今はちゃんと村で情報を集めないと。もしかしたら昔の聖者が魔王城探しに使ってた道具とかヒントとか出てくるかもしれないし!!


「こんな、遊興施設も無いような田舎ですみません。」

「いえいえ。すっごく花畑、きれいでしたよ。」

「ああ。あの花畑はこの村の管轄じゃないんですよ。」


う~ん。自己肯定感?というか村としての自信が低い。

でも村人たちはのんびり過ごしているようで、居心地は悪くない。


「聖者様は色々と研究をしてまして、この村の近くの洞窟とかに、聖者様が描いた絵とかが残ってるんですよ。」

「絵?」

「はい。洞窟の壁に描いてある感じで。」


まさかの壁画である。え?昔の聖者ってかなり昔なの?


「ねえねえ勇者様!魔王をバーンってやっつけるんだよね!!かっこいい!!」

「聖女様ー。魔王って悪いやつでしょ?聖女様とか魔法使い様みたいな女の人が戦って大丈夫なんですか?」


村の子どもたちがわいわい俺達の周りに集まって質問を投げかけてくる。まあ、勇者とか聖女とか珍しいよな。


「かっこいいかなあ?頑張るけどね。」

「ええ。大丈夫。皆で力を合わせて悪い魔王を倒すから。」


村の子どもたちの質問に軽く答えてから、教えてもらった洞窟に移動することにした。




洞窟と言っても別に深いダンジョンというわけではなく、広めの家って程度のものだった。実際に洞窟の壁にはたくさんの文字や絵が描かれている。大分乱れているが今使われている文字と同じようだ。


(そこまで古いものではないのだろうか。)


俺達はそれぞれ壁を観察してみることにする。

描かれている剣を持つ少年少女は子の聖者のパーティだったのだろうか。


『魔王はどこにいる』

『魔王城はこの世界のどこかにあるものか』

『魔王が植物であるならば、魔王は自らが住む魔王城は作らないのではないか。魔王森なら別かもしれないが』


意外といい着眼点だと思う。魔王は魔王城を作るのか。そもそも魔王城が作れない場合もあるのではないか。魔王城がこの世界にない可能性も考えていたのか。


『魔王が自らを魔王と認識していない場合も魔王城を作りはしないだろう』


文字をなぞりながら考える。

けれど、今回の魔王は自分で動ける。人の姿をしていて、『俺の家』発言もしていた。やはりこう……勇者を迎え撃つ魔王城は存在するのではないだろうか。


文字を追っていた俺はふと、地面の近くに刻まれた文章を見つけた。


(えっと……『魔王の仲間が自分だった場合、どうしたら……いい……』?)


ひゅっと息をのむ。もしかして、この聖者は、仲間が―――――。


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマーク、評価や感想をいただけると嬉しいです!

次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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