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勇者と聖女のとりかえばや ~聖女が勇者で勇者が聖女!?~  作者: 星野 優杞
勇者な聖女と聖女な勇者
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キラキラな転入生

ブックマークありがとうございます!!嬉しいです!

なんだかんだ言いながらも、俺はライと仲良くなった。

何故かライが俺に良く話しかけてきたからだ。


体格が大きな男子生徒が


「俺の方が勇者より強いに決まってる!!」


と言って勝負を仕掛けてきた時も、ライは怖がらずに口元に笑みを浮かべていた。


「喧嘩は校則違反だから先生を呼んできて、ちゃんと試合したほうが良いよ。」


そう言ったのもライだ。そして先生の提案で授業の手合わせをその男子生徒と行い、俺が勝った。




「そ、それが神聖魔法?!神聖魔法で剣を作ってるの?!」


俺の剣を初めて見たクラスメイトの多くは興味津々といった感じで、ワイワイ騒いだ。先生も初めて見る神聖魔法に驚きを隠せない様子だった。


(いやまあ、実際は常に身体強化の神聖魔法を使ってるから厳密に言えば初めて見せるわけでもないんだけれど。)


身体強化をかけていることに誰も気づかないから、皆この剣が初めての神聖魔法だと思ってるだけなんですが。そんなワイワイした中でもライは比較的冷静だったなあと思う。


「この感じ、剣を魔力を流し込むことによって作ってるのか。これは魔力を材料に剣を鋳造していると言える。大体の剣は鍛造だけどそれは原材料が鉄だからで、魔力であればこちらの方が(以下省略)」

「勇者って伝説で自分で剣を作るって聞いたことあるけど、本当だったんだな。」


前者はなんか武器好きのクラスメイト、後者がライのセリフである。あえてこのクラスメイトと比べる必要性はなかったかもしれないが、ライの冷静さが際立つ気がしたので、ここで比べてみました。

見ろ、このセリフ量の差を。実際結構声の温度差も激しかったぞ。60度と15度くらい差があった気がする。


「なんかアッキーの言う温度差って、水道から出る程度の温度差だよな。」

「水としては十分な温度差だろ?」

「情熱の温度差としては微妙な表現かなー。」


ライがなんか苦笑している。

と、まあ、俺とクラスメイト達の仲は別に悪くないが一番近くにいた友人はライだった。




それが変化したのは意外とすぐのこと。

4月に一緒に入学してしまえば良かったのに、5月になって転入生がやってくるという。なんとなくクラスメイトは幼いながらにグループで分かれていて、転入生はどのグループが引き入れるんだろうなあと考えていた。


「転入生、気にならないの?」

「少しは気になるけど、別に積極的に関わっていこうとは思わないな。転入生って人気だろうし、俺が話しかける隙もないだろ。」

「転入生って属性より勇者って属性の方がだいぶヤバいと思うけどな……。」


ライはよく苦笑するような、呆れたような表情をする。

なんだその、ツッコミどころ満載の人物を相手にするような表情は。


「でも気にならない?将来のパーティメンバーかもよ?」

「そういうのは実力を見てからの話だろう。」


そもそも勇者のパーティメンバーは勇者の一存で決められるものでもない。

王様をはじめとした偉い人たちの意見がたくさん関わってくるのだ。旅立つのはまだ先でも、初等部に通う子供であろうとも、それくらいは分かっていた。




「今日から騎士クラスに入ることになったアストロン君だ。」

(うっわあ!!可愛い!!)


先生が紹介した転入生はそれはそれは可愛らしい子だった。金と銀の間の色のふわっふわな髪。真ん丸な瞳の中にもキラキラした光が見えるようだった。

学年の中でも小さい方だろう。1つ下の学年でも誰も疑問に思わないような身長。ふっくらとしたほっぺも赤く色づいていて、とっても可愛らしかった。


(え?!アキレアより可愛い?!)


可愛らしさで目がちかちかするし、胸はバクバクする。


「わあ。すごい子だね。転入生って時点で思ってたけど、かなり上の位の貴族の子なんじゃないかな?」

「そ、そうか?」

「だってあの服。あれは国一のメーカーの布を使ってるよ。それにデザインも上品だ。」

「……それが分かるライも十分上流貴族だと思うが。」


そう言えばライは、あははと笑いながら頬をかいた。どうにかライの言葉に返事をしながらも視線を転入生から逸らせない。


「かわいい……。」

「アッキー……ああいうのが好みなの?いや、あの子は男の子だけど。」


ライが少し引いた感じで言う。そうか。男の子。

俺が、もしちゃんとフリージアだったら彼と恋愛しても何も可笑しくないのか。


(いやいやいや!!何考えてるんだ俺は!!)


俺は勇者で、勇者は男の子だから、俺は俺になってるんじゃないか!!

ぶんぶん首を横に振る。ライはそんな俺を見て苦笑する。


「あの子は多分ね、止めといたほうが良いよ。うん。アッキーには、それこそ聖女みたいな子が良いんじゃないかな?まあ俺アッキーの双子に会ったことないんだけどさ。」


今度は俺が苦笑する番だ。

聖女が俺にお似合いだって?まあ俺が本当は聖女だからな。

うん。そう言う意味では似あうかもしれない。


「かっこいい。」

「すごいきらきらしてる。」


小声できゃっきゃとはしゃいでいるのは女子だけじゃない。転入生の見た目は俺以外が見てもやはり整っているようで、クラス全体が転入生のキラキラオーラに注目していた。


(きらきらしててすごい目立つなあ。)


人ごみに紛れていても、あの転入生ならすぐに見つけられそう。

俺はそう思いながら息を深く吸って、バクバクしている心臓を落ち着けることにした。


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマーク、評価や感想をいただけると嬉しいです!

次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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