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決定!男女逆転喫茶

ブックマーク、評価、ありがとうございます!

「それに男子の可愛いところも見てみたいんです。アキラ君は……まあ頑張ってメイクとかするけど……。ライ君とかは化粧映えしそうだし可愛く仕上がると思うの。」


なるほど。ライはモテるんだったか。それでライの意外な一面が見たくて盛り上がっていると……。確かにライは多分美形だし、女装も似合いそうではある。


「それに王子の女装、見てみたくありません?きっとすごく麗しいですよ。」

「ぐっ。」


確かにアストロンはすっごくきらきらしてて、きれいで……最近はちょっと男らしくなったけど


(アキレアのフリージア姿も可愛いもんなあ。)


アストロンの女装姿も可愛いに決まっている。少し心が揺れてしまいそうになるが


(いやいやいや?男女逆転喫茶ってことは普段男の姿の俺が、本来の性別である女性の服を着なきゃいけないわけで?それってヤバいよな?!)


ぶんぶんと首を横に振る。


「ど、ドロシーやっぱり」

「何してるの?」

「「ひぇっ。」」


いきなり後ろから、肩に手を置かれて声をかけられて変な声を出してしまう。驚いたのはドロシーも同じようだが、少し顔色が悪く見える。


「ねえねえ何の話してたの?」


登校してきた声の主、アストロンが俺の顔を覗き込みながら尋ねてくる。


「ああ、学園祭の話をしてたんだ。」

「へえ。そんな時期かあ。それで、何か案が出たの?」

「えっと……はい。あの、男女逆転喫茶をしようかなという話になりまして」


アストロンの前だからかドロシーは少し緊張しているようだ。普段喋らない相手、しかも王子となればそりゃ緊張するだろう。しかしドロシーの決意は固いのか、彼女はグッと顔を上げた。

流石騎士クラスの女子!度胸があるよな。それともあれか、恋する乙女は強いとかそういう感じか。


(そんなにライの女装が見たいのか……。)


「アストロン王子は、アキレア君の可愛い女装姿、見たくないですか?」


勝負に出た!俺は息をのんでアストロンの行動を見守る。

アストロンは少しだけ驚いたようだったが、すぐににっこり笑った。


「アッキーはいつも可愛いからなあ。それに、アッキーの可愛いところは僕だけが知ってれば良いかな?」

「ひっ。」


アストロン!お前、俺のことをそんな風に?!って、ドロシー本当に顔色悪いな?


「ちょっと待て、アストロン。可愛いってなんだ可愛いって!俺は勇者だぞ!」


恥ずかしさをごまかすように文句を言う。


「勇者でも可愛いものは可愛いで良いんじゃないかな?」


アストロンはニコニコしている。


「確かに商売に新しいアイデアは必要。だがそれを実店舗でやるのは大分チャレンジャーだ!!学園祭という場を借りてどういう結果が見れるのかは非常に興味深い!!というわけでやるぞ!!男女逆転喫茶!!」

「アキラ?!」

「アキラ君!!」


どうやらアキラとか他の男子達もそれぞれ女子から説得を受けていたようだ。


「王子。学園祭の出し物は多数決です。王子の権力でも変えられませんからね。」


ドロシーは立ち直ったのかそう言って微笑んで去って行った。やばい、ドロシー強い。


「……仕方ないね。僕も暴君にはなりたくないし、ここは民意に従おう。」


アストロンがそう言ってため息をつく。いや、マジでドロシー強いな?!

そんなこんなで俺たちの学園祭の出し物は男女逆転喫茶に決まってしまったのだ。




「どうしようアキレア!」

「どうしようって……やるしかないんじゃないかな。とりあえず服は露出が少ないものを選んで」

「あ、そこは皆同じ服でフリルたっぷりメイド服らしい。」

「あの、普通のメイドさん達の服じゃなくて、ファッションで着るタイプか。じゃあ問題はスカートの丈かな。」

「……冷静だな?」

「私のクラスはマジックアイテムの展示だからね。」

「平和!!」

「で、女装だからって男装はやめないこと。」

「ん?」

「あくまで勇者アキレアが女装するんだから、体型を隠してる神聖魔法の小細工はしたまま女物の服を着るんだよ。」

「わ、分かった。」

「あと、これ幸いと言わんばかりにアキレアのことを着せ替え人形にしようとしたり、服を脱がせようとするやつがいたら私のところに来ること!」

「どれ幸いなんだ……。誰得だよ。」


男(ということになってる俺)を着せ替え人形にしようとしたり、服を脱がせたりしようとするやつ?いるわけないだろう。一応あれでも学校は7割がたが貴族の子どもだ。そうそう羽目を外したりしないと思うし。


「フリージアー?返事はー?」


アキレアがグッと顔を近づけて何処か圧を感じさせる声でそう言った。


「うっ。分かった……。」

「全く!フリージアは女子にも男子にも注意しなきゃいけないことを分かってないんだから。」

「え?!注意ってなんだよ?!」


アキレアはため息をついている。


「でも、なんかあってアキレアのところに行ってどうするんだ?アキレアより俺の方が強いじゃん?」


純粋な疑問を口にする。


「フリージアは王子やご令嬢の皆さんに口で勝てるとお思いで?」

「うっ。」

「私、これでもずっと魔法使いクラスで色んなご令嬢とお話したり、色んなご子息をあしらってきたんだよ。」

「え?!なんかトラブってたのか?!」


聞いてない!初耳なんだけど?!アキレアは何でもないことのように笑う。


「ホワイトレースが大体加勢してくれたから大丈夫。うん。今のフリージアの反応を見てると王子は上手くやってるみたいだね。」

「は?」

「うん。大丈夫。とにかくヤバくなったら私のところに来ること。良いね。」

「うっ……。はい。」


アキレアの圧が大分強い。


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマーク、評価や感想をいただけると嬉しいです!

次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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