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勇者と聖女のとりかえばや ~聖女が勇者で勇者が聖女!?~  作者: 星野 優杞
勇者な聖女と聖女な勇者
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間話 王子の憂鬱3

ブックマークありがとうございます!!間話が続いてましたが、そろそろ2章に行こうと思います。

今回の話は、別名、王様の憂鬱……な気がします。


というわけで、僕は本格的にアッキーの隣に立つことに取り組むことにした。今までだってそうだったけど、アッキーに僕を好きになってもらえるように頑張ることにした。


お父様に勇者と旅に出たいというと難色を示された。お父様は寛大だけど流石に唯一の子供である僕を危険な目には合わせたくないらしい。

騎士クラスの実戦の授業でも僕の護衛をたくさんつけるし……


(あれをアッキーのせいにさせちゃったのは、悔しいな。)


しかもあの後からアキラとかのアッキーへの態度が変わった。いい意味で変わったんだけど、アッキーに近づきすぎるのは気に入らない。

まあ、アキラももちろんだけど


(……問題はアッキーと結婚したいと願うご令嬢の皆さんかな。)


アッキーはとても綺麗だ。貴族としては中の下だけど、見た目も実力も十分。しかも勇者だ。世界を救う人間と結婚したいと夢見る乙女は案外多いもの。まあ、アッキーは気付いていないみたいだけどね。


さて、結婚と言うと僕にも無縁の話ではない。

お父様の唯一の子どもである僕は、国内との縁を強めるために国内の有力な貴族との結婚が予定されていた。一番の有力候補は大臣の娘であるホワイトレースだ。

彼女のことは別に嫌いではない。ライほどではないが昔馴染みだし。けれど僕はアッキーのことが好きだし、彼女も僕のことをそういう意味で好きではないだろう。


僕はお父様に正直に話すことにした。お父様は寛大だし、僕のことを思ってくれてるから宣言しておけばそうそう無理やりな結婚話を持ってこないだろう。

周りには護衛の兵士や、数人の上位貴族、それにライもいた。人の口に戸は立てられぬ。これくらいいれば十分だと思う。しかも大切なところは濁してくれそうな人物ばかりだ。我ながら、なかなか好条件な場所を選べたものだと思う。


「お父様、僕の婚約の話がありましたね?」

「ああ。まだ正式に決まっていないが、大臣の娘の」

「僕、好きな人がいるんです。」

「!!……言ってみなさい。」


お父様は驚きながらも僕の話に耳を傾けてくれるようだ。そのことにとても感謝しながら表情を作る。嬉しそうに、切なそうに。それから作らずとも溢れる恋慕をこめて宣言する。


「僕、勇者アキレアが好きなんです!」

「はあ?!」


お父様が素っ頓狂な声を上げる。周囲の人間が固まるのを感じる。それから視界の端でライが一人で頭を抱えているのが見えた。でも、そんなの気にしない。


「ま、待て。勇者アキレアは男で」

「勇者アキレアが、好きで好きで仕方ないんです。彼の隣にいたい。いや、彼以外の人を隣に立たせるなんて、とてもできない。それに僕は、彼の隣に他の人間が立つのを許せそうにない。」


おっと、最後の方は必要以上に声が鋭くなってしまった。お父様が顔を引きつらせている。


「いや、だが、跡継ぎの問題があってだな……。」

「その辺りはお父様がどうにかしてくださっても良いのでは?または養子を引き取ったり」

「いや、安易に頷くことはできないぞ。……滅多に我儘を言わないお前が言うのだ。一生を添い遂げる相手。それが女子であれば、平民の娘でも良いと思った。」

「勇者アキレアは貴族ですよ。」

「だが男子だろう。」


お父様はほとほと困り果てた表情をしている。けれど、僕に引くつもりもない。


「お父様は女子なら反対しないのですか?」

「ま、まあそうだな。国内の娘であれば……。」

「国内の娘であれば、平民でも構わないでしょうか?」

「あ、ああ。」

「分かりました。」


僕が一応頷くとお父様はほっとした顔をする。聞き分けの良い息子が、今回も納得してくれたと思ったんだろう。でも、僕は他のことならさておき、アッキーのことに関しては妥協しないんですよ?


「女の子であれば、勇者アキレアでも問題はないんですね?」

「はっ?」


呆然とするお父様が何か聞き返してくる前に背を向ける。今からが大変だ。色々と研究をしなければいけない。魔法、マジックアイテム……色んなアプローチが必要だ。実行するのはアッキーが魔王を倒してからの方が良いけど、それまでに完成させたいな。


「ではお父様、その時はよろしくお願いしますね。」




「ライ……。」

「……はい。」

「勇者アキレアをどう思うかね?」

「良い奴だと思います。」

「それはよく知っている。彼はこの国の……世界の未来を任せるのに相応しい若者だ。」


ライは王様が何を聞きたいのか伺うために顔を上げる。王様は少し気まずそうにライに尋ねた。


「あれだ……。その……勇者アキレアは、我が息子にそういう意味で脈があると思うかね?」


ライは少し考えてから答えた。


「とりあえず、多分……顔はドストライクで好みっぽいです。」

「そ、そうか……。」


王様は悩みながら頭を抱えた。


アストロンとしては、勇者アキレア(フリージア)のことがただひたすらに好きなので、性別とかは関係ない感じです。障害になるなら色々選択肢は増やしておこうという感じで、なんか色々やっているだけで……。アストロンを止められる存在はそれこそ勇者アキレア(フリージア)だけだったりします。気付いてないから止めませんが。

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