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嫉妬から爆発(1)

初めて彼女に会ったとき、僕は嫉妬に狂っていたんです。

彼女は高級品で有名なヴィトンのバッグに、CHANELのコート、カルヴァン・クラインのブーツに身を包みながらステージに上がっていました。隣に立つ男は身長180センチを越えたスラッとしたハンサムで、2人はこの世の他に並び立つ存在がないほどの美しいカップルでした。

「令和3年、鷹乃森高校ベストカップルはこいつらだ!!!」司会はテンションあげあげで2人を今年のベストカップル賞受賞者として持て囃します。会場は湧きます。大歓声です。が、僕は1人会場の隅で大声で唸っていました。

「なんだ?」「誰かブーイングしていないか?」「あいつじゃねーのか??!」そうです。僕です。

「ちょっと待ってくれよ。俺にはそこの2人に伝えたいことがある。ちょっとマイク良いか!?」司会に近づきながら言いました。もちろん、司会は酢豚にパイナップルが入っていたときのお母さんのような怪訝な表情で僕を見ています。でも、言わねばなりません。ですので、警備を振り払い、無許可でステージに登り、司会から乱暴にマイクを取り上げました。

「そうだ。俺にはこの美男美女のお2人さんに言わなきゃならないことがあるんだ」宝石の様に煌めいた衣装に身を包んだ2人は同じような、初めてスラムで物乞いを見てしまった大金持ちのような軽蔑混じりの、表情を僕に向けました。憤慨です。

「なんなのです?あなたは。勝手に壇上に上がって、この場を楽しみにして来場してくださった皆さんに失礼だとは思いませんの?」

「思いませんの。というか、この場にいるお客様皆、下に見ているのですよ」

「知りませんの。というか、あなた誰なんです?」「そうだぞ。というか、君、その制服は鷹乃森の学生ではないだろう?ここは部外者は立ち入り禁止のはずだ。何をしに来たんだ」

「嫉妬さ。俺は羨ましかったんだよ」

「そういうことね。この学校に入って見たかったのね。で、思いの外、綺麗で豪華な鷹乃森に憧れて、貧乏な貴方は嫉妬して壊したくなったというわけね?」

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