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第1話:悪役令嬢は理路整然と反撃する

あたしは貴族令嬢として理路整然と反論した。


「そもそも貴族と王族の婚姻は、個人の結びつきを越えて政治で取り扱うべき領域の課題です。

殿下が市井の民でないように、あたしも料理屋の娘ではありません。

個人の恋愛感情で契約を反故にしては王国の統治の基盤が乱れます。


殿下も帝王学として歴史を学ばれたはずです。

この国の成り立ちとして、王が独裁的な権力を持って国内政治を欲しいままにできた時代など、歴史のほんの一時期に過ぎません。

ですから、王族は有力貴族と婚姻を結び国内の政治的権力を安定させるのです。


逆に言えば、そもそも独裁的な権力を持っていれば国外の王族と婚姻を結ぶのです。


このあたりの事情は学ばれているはずですが?」


無言になってしまった王子に、つい要らぬお説教をしてしまったのは、あたしも突然の婚約破棄宣言にそれなりに頭に血が上っていたのかもしれない。


「殿下、そもそも殿下に婚姻をどうこうするだけの権力はございません。婚約の破棄、ということであれば陛下や宰相閣下とよく討議してくださいませ。我が一族の問題でもございますから、父とも十分に相談させていただきたく思います」


青いお尻のお坊ちゃん、パパとよくお話してからお喋りしなさい?


と、いう心の声が聞こえたのだろうか。

あるいは、それが表情にでていたためか。

周囲をとりまいた貴族達の誰かが、くすっ、と吹き出したためか。


あるいは、その全部が理由か。


金髪の優男の顔色は、まず青くなり、ついでよく熟れたトマトのように見事に赤くなって、ついには激発した。


「こ、この無礼な女を捕らえろ! 衛兵!」


これだけ人目がある場所で、国内有力貴族の一員を捕縛し、なおかつ下賤の者に触れさせるとは正気だろうか?


いや、ちょっと話しているうちに楽しくて煽ったのはこちらが悪いのだけれど……


結局、あたしは遠慮がちな衛兵達に取り囲まれて牢へと連れて行かれることになった。


→6話 へ 進んでください

バッドエンドではありません。6話へ進んでください。

口は災いの元です。気をつけましょう

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