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第11話:知略系悪役令嬢は地下牢へと歩む

昨夜投稿のつもりがうっかり寝てしまったので

結局、あたしは衛兵ともめて害されるリスクを避けて、地下牢へ向かうことにした。

あたしが城から戻って来なければ王都の屋敷に詰めているお父様が動いてくれる、と期待して。


階段を下るにしたがい、だんだんと空気が悪くなってきた。

暗い照明に覚束ない足下、崩れかけた階段。何よりも耐え難いのは、この鼠や腐った食物の臭い!


「・・・ひどい臭いですわね。換気をしていないのではなくて?」


「地下牢とはそういうものでして」


無神経な返答をする衛兵に、あたしはカッと血が上って言い返した。


「なにを言っているの!城の地下はワイン倉や食料庫が併設されているものでしょう!!貴族に供するワインやハムが、こんな鼠がうようよしている場所で保管されていたというの!?それこそ死罪に値するわよ!!」


王侯貴族の居城が高い城壁と高い塔を備えているのは、外敵や怪物から人民と食料を守るためである。

特に食料は戦略物資の最たるものであって、税として領地から集めたモノをいざというときまで安全に保管するという重要な役割を担っている。


それなのに、この体たらく。苦しい暮らしの中から税を納めた領民への裏切りである。

納めた食物を腐らせるなど、賄賂を取る役人よりもなお悪い。

賄賂なら没収すれば損害を補えるが、腐った食物は帰ってこない。


自領の居城なら担当者は間違いなく死罪だ。


「そこのあなた!前に地下を掃除したのはいつなの!?」


鋭く指をさされた若い衛兵は救いをもとめるように年かさの衛兵をみやったが、責任を回避するように視線を反らされただけだった。


若い衛兵は消え入るような声でしぶしぶ答える。


「ええと・・・それはわかりかねます」


「今すぐ担当者を呼んでいらっしゃい!!」


「は・・・はい!」


一喝された若い衛兵は転げるように駆け去っていった。


「全く・・・この城の管理はいったいどうなっているの?」


人や組織は頭から腐る、とお父様は仰っていた。

それでは、土台から腐り始めているこの王城の現状はどうとらえたらいいのだろう?


「この国・・・放っておいても長くないかもしれないわね・・・」


ついつい悲観的な見通しが口から漏れてしまう。


この種の可愛い気のなさ、が王子から婚約破棄を言い渡された遠因かもしれないが、生えている翼を遠くまで飛べるからと毟り取るわけにはいかないし、見えすぎる目に覆いをかけたとしても事実は変わらない。

空を飛ぶ鳳を小さな檻に閉じこめようとする方が間違っているのだから。


ふと気がつけば、地下に向かう人気のない薄暗い通路に年寄りの衛兵とあたしの二人きり。


ひょっとして・・・この年かさの衛兵をどうにかすれば簡単に脱出できるのでは?


あたしは・・・


年かさの衛兵を説得して逃げ出す → 21話へ


若い衛兵が戻ってくるのを待つ → 22話へ


その他・読者投稿の選択肢へ → 23話へ

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