表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/134

図書館へ

結局のところ寝不足で信号の向こう側のビルに反射する日光に目を細めてしまう。


この間のカフェで待ち合わせた僕らは図書館へ向かった。

映画でもと切り出したのだが結衣ちゃんは「本が読みたい」と。

でも静か過ぎて「ゆっくり話すこと」は難しそうかな。まぁ映画も集中すると話せないけど…


地下鉄への階段を降りて2人分の切符を買う。

彼女はまだ緊張したような表情で「ありがとう」

と言った。

僕にもう少し経験と余裕があればその表情ははにかんでいてとても可愛く感じたに違いない。


やがてホームに電車が着き、彼女は反対側のドアにもたれるように佇んだ。


「ねぇ、結衣ちゃんてさ?あっ馴れ馴れしいかな?」


「大丈夫ですよ」


そう言ってクスッと笑った彼女の今日初めて笑顔が見れたかもしれない。


「きょうだいはいるの?自分は一人っ子でね。

友達とか羨ましいんだよね。」


「えっと、お姉ちゃんが…」


よしよし、ここから話を広げていって…


「へぇ、社会人のお姉ちゃんかぁ!」


「いえ、まだ学生ですよ。」


「歳が近いのかな?同じ学校?」


「いえ…」


そう答えると彼女は少し元気が無くなったように見えた。


何か地雷を踏んだのは明らかだ。

自分の何かを犠牲にしても時を巻き戻したい!

心からそう思った。


目的の駅に着いて階段を一緒に上がる。

図書館へ向かって歩きかけた時に彼女が口を開いた。


「あの…」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ