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んん…


結衣が朝の光に目を細めてベッドから出た。

僕は一応、自分では上出来な朝食を作って、

テーブルに並べながら、


「おはよう!」と結衣を迎える。


結衣の顔を見ると少し涙を浮かべて、


「翔くんが朝食で私を迎えてくれるなんて…

信じられないくらい幸せ。まだ夢かな?」


僕は結衣を抱きしめて、


「さあ食べよう。」と結衣の椅子を引いて彼女を席に迎えた。

今日は結衣を駅まで送ってから、一度学校に顔を出す予定だ。




結衣が一人で改札を通る時に寂しそうな顔を見せた。

丸一日一緒にいたからいつもより僕もすごく名残惜しく感じる。

でも僕たちには強い絆が生まれた。

離れていても僕は結衣を近くに感じる。


地下鉄の駅から地上に上がるとまるで二人のこれからを祝福してくれているような夏の透き通るような空が僕の目に飛び込んできた。






貸しスタジオでの音合わせはちょっと難航気味だった。


「結真、どうしたの?いつもの音出てないよ。

もう一度行こうか!」


苛立つ気持ちが音になっている…

どうしたら納得のいく音が出るのだろう…

分からないからまた苛立つ…


自分を見失った結真とは対照に優花のドラムは力強く、二人の音は決して交わらなかった。





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