表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/134

大切な人

目が覚めて、ガラステーブルの隅にある名刺を手に取って昨夜のことを思い出す。


おそらくは春奈さんを忘れていたのは介抱した女の子に無我夢中で顔をあまり見ていなかったのと、髪型や服装が違ったことの二点だろう。


先輩とトモヤは好みのタイプの女の子だったらしく、

終電で帰るための駅への帰り道で


「カオリちゃんは俺が好きみたい」だの、


「ユミちゃんか今の彼女で悩んじゃう」とか


幸せな人達が近くにいました。ハイ。


でも、エレベーターを降りる時に見送ってくれた

春奈さん、口唇に人差し指を当ててウインクしてた。とても綺麗で可愛いかった…


その時、スマホに結衣からおはようのメッセージが届いた。


僕はドキッとした。そして自分の優柔不断さを恥じた。


何やってんだ…これじゃ先輩やトモヤと変わりゃしない。自分には結衣が、大事な彼女がいるじゃないか?


たまたまお店で出会った女の子のことは忘れて、彼女を大切にしなきゃ。


僕は結衣におはようと返信すると、夏休みに海に行かない?と聞いた。


結衣からの返事はOKのスタンプだった。


どこの海に行こうかなぁ。


ふと、足元を見ると春奈さんの名刺がテーブルから落ちていた。

よく見ると裏に携帯番号が書いてあった。


所詮彼女とは棲んでいる世界が違う。


僕からはかけることはないよな。


そう。確かに自分からかけることはなかった。




数日後、僕のスマホに見覚えのない番号から着信があった。


誰だろう?


「もしもし宮田さんですか?」


表示されている番号は名刺に書いてある番号だった。


「はい。そうです。」


「お願いがあります!」「はい?」




「チケットを買ってほしいの!」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ