支えるということ
結真が僕に駆け寄ってくる。
「いや〜とりあえず良かった。それじゃこのパーティーは私の送別会ってことにしてくんない?」「えっ!じゃあ結真、NYに…」
「ああ、次のライブが最後だ。見にきてくれよ。」「勿論。絶対行くよ。」
優花さんと結衣が泣きながら
「ううう…翔ちゃん。一時はどうなるかと思ったで。ウチの側から離れるのがイヤやったんやろ?
そやろ?分かるわ〜!もうウチらは何も言わんでも通じ合ってる。今、ウチが翔ちゃんと行きたいとこあんねん。どこか分かるやろ?うふふ。」
「あーん。良かったよ〜翔くん。私、東京で色々なバイト考えてたよ。109の前でビラ配りとかしてハロウィンの仮装行列に参加したりするのかな?それも楽しいなとか…」おーい。二人とも。
でもみんな僕がここで頑張ることを喜んでくれたことがとても嬉しい。
後日、長門さんには親父さんが断りを入れて下さった。お誘い頂いたのは光栄だが、僕は親父さんと一緒に一段一段料理人の階段を上がって行こうと思う。
雪は神社の石段でまたギターを弾き始める。
雪はギターを弾きにくるのは今日で終わりにしようと思っていた。結真には申し訳ないが、これからは翔と親父さんを支えていこうと心に決めていた。翔と父さんが側にいてくれる。それで幸せだと心から思っていた。
結真は陽子さんにあるお願いをしていた。
「結真、あなた本当にそれで良いの?」
「ああ、頼むよ。」