初めての彼女
京都の夏はとても暑くて、祇園祭りが近づいて街も活気づいてきた。
結衣と付き合ってから数日が経ち、近くで何度かデートをした。
彼女と一緒にいる時間は本当に毎日を変えてくれた。トモヤがよく彼女の愚痴を言ってくるけれど
少なくとも自分には結衣の存在は大きくて感謝の気持ちしかない。
トモヤに付き合っているうちに女の子は変わってくると言われたけどそれはトモヤもだろ?という
結論に至った。
結衣とは色々なことを話した。
家族のこと、うさぎのこと、友達のこと…
学校は榊の二年生だと言っていた。
京都榊大学かぁ…お姉ちゃんがいるって言っていたけど三年生?四年生?
目鼻立ちははっきりしているけど小柄なので先輩だとは思わなかった。
大人しくて優しい結衣だけど、言う時ははっきり言う芯の強さは感じていた。
学校が忙しいと言っていたので平日は会えないけどSNSで連絡はしている。地獄の定期試験が終わってこれから夏休みだし、海にでも一緒に行けたらいいなぁなんて考えている。
自分のワンルームの部屋から結衣の家までは地下鉄で移動できるからいつでも会える。
そういえばトモヤから飲み会の誘いが来ている。
結衣に話すと心配するだろうし、また数合わせで参加させられるかな?
でも僕には結衣がいる。大切な彼女を決して裏切ることなどしない。出来る筈が無い。
付き合いもあるし、仕方ない。一応トモヤに付き合ってやることにしよう。