温泉旅行は危険な香り?
今週はいよいよGW!大学生活も一年が過ぎ、京都の生活に慣れてきたように思える。結衣や結真、優花さんやみんなに出会えたから楽しい毎日が過ごせている。
僕は今、京都駅のホームに立っていた。これから奈良に向かうところである。結真が誘ってくれた温泉旅行だが、今回は強力なスポンサーが付いたので宿泊費に予算が取られず豪華な旅となりそうだ。
「翔くん、お待たせ。」「よう。」「おはよう、翔ちゃん。今日は内緒でウチらだけ別のホテルに泊まらへん?」
朝の挨拶としてそぐわないものが聞こえた気がする。
優花さんのお母さん、千花さんが知り合いの旅館に部屋を用意してくださったそうである。
その代わりお手伝いして欲しいことがあると聞いている。洗い場でも忙しいのかな?
僕らはお昼前に奈良駅について町家などを見て回った。旅館は若草山にあり、少し距離もあるのでタクシーで移動することになった。山道をしばらく走ったところに旅館はあった。古い歴史のある旅館みたいだが、別館にモダンな洋風の建物も見える。
旅館に荷物を置いてゆっくりすることにしよう。旅館のフロントに行くと部屋は二部屋を用意してくださっていた…ちょっっと待った!
またまた〝一旦整理しよう〟部屋割は三種類…だよな。僕と一人、残った二人。あっ、僕、一人で一部屋、三人で一部屋ってのもあるか…
結局、みんなで相談しないと…
僕は結衣達に部屋割のことを話すと〝部屋割決定権争奪大ジャンケン大会〟が始まった。
「私、絶対に負けないよ。」「ジャンケンなら任せてくれよ。」「ウチが翔ちゃんと同じ部屋やで!」 あの…みんな見てますって。
「最初はグー、ジャンケーン…」
激しい闘いの末、結局部屋に荷物を置いてゆっくり落ち着いている僕の腕にギュッとしがみついているのは…ジャンケンで一抜けした結衣だった。「うふふふ…あーん。嬉しいよ〜」
優花さんと結真はまあまあの落胆ぶりを見せて、
部屋に荷物を置きに行った。
部屋は旅館だけあって純和風ないい部屋だ。部屋の中に一人用の露天風呂もある。
結衣が「ちょっと詰めれば二人で入れるかも?」と顔を真っ赤にして言う。僕が今日は水着を持って来てないから無理だと言うと残念そうに諦めた。
突然、優花さんが部屋に入ってきて、服を脱ぎ始める…「ゆ、優花さん…?」