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優しい涙のKISSの味

結真はベッドに新しいシーツと布団を敷き直す。

「さてと…」帰ろうかなと言いかけて結真はこのまま帰って大丈夫か悩んだ。


翔の表情は少し顔色はマシになったが、一人で

トイレに行くのも大変である。

「仕方ない。泊まりますか。」

翔は結真の方を見て、「何とかするから帰ってね。大丈夫だから…」

「私があんたの世話をしたいんだよ。どうせ帰っても気になって眠れないよ。」

「結真…ゴメン。」「さっき言ったろ。迷惑じゃないって…なぁ、あたしがもしさっき気にして出て行ってたらどうするつもりだったんだよ?」


僕は少し考えて、「多分、見つかるまで探したと思う。」「バカ!倒れちゃうよ。大体、あんたが大事なのは結衣だろ?何で私なんか…」

結真は涙が出ないようにこらえた。


「僕は結衣も大事だけど結真も大切な人だよ。

結衣を大切にすることと結真を大切にしないことはイコールでは結べない。」僕は本心でそう言った。

結真は机から翔のスマホが落ちかけていたのに気付いた。スマホを持ち上げるとそこには以前バラバラに砕けた結真のティアドロップ型のピックが置いてあった。テープを貼って元通りの形に直してあった。「これ、あたしの…」

「結真のティアドロップが砕けた時、集めたんだ。もう結真が辛い思いをしないように、砕けないように僕が直そうと思って…」


結真の目から涙が溢れ出す。

「翔…私、あんたの事好きみたい。あんたにも、

結衣にも優花にも迷惑をかけると思うけどもう限界だよ!自分でもどうしようもない。看病してても心配な気持ちはあるけどあんたと一緒に居られることがすごく嬉しい。ゴメン、何言ってんだろ。」結真は両手で顔を覆って泣き始めた。


結真…僕は頑張って布団から出ようとしたが、

身体がまだ言うことを聞かない。

結真は何かを決したように、僕の布団に入ってきた。「ゆ、結真…」「今日だけ、今夜だけ側にいて…側にいさせてくれないか?翔がいてくれないと寂しくて何も出来ないよ。」

「か、風邪ひいてるからうつるよ。体温が高いから暑いし…」


結真は布団の中で服を脱ぎはじめた。下着姿になったようだった。「な…何で、僕も男だよ。ダメだよ。」「それならそれで私はいいよ…翔、大好きだよ…」結真の口づけは以前の時のそれとは違くて優しくてちょっと涙の味がした。





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